地球環境大賞とは?
1992年(平成4年)に創設された、環境保護や持続可能な開発、活動を行った企業、自治体、学校などを表彰する地球環境大賞。
これまでに、地球温暖化、海洋汚染、水質汚染、大気汚染、森林破壊といった環境問題などに真摯に向き合い、成果を上げてきた受賞者のべ300企業、自治体、学校が表彰されています。
31回目を迎えることしは、13以上の企業・団体の受賞が発表されました。
地球環境大賞は東急株式会社と町田市の「南町田グランベリーパーク」
東急株式会社と東京・町田市による再開発エリア・南町田グランベリーパークが、第31回の地球環境大賞を受賞しました。
同パークの建物には低炭素でリサイクル可能な材料が使われていたり、エリア全体に雨水の自然浸透装置を配置していたり、環境に配慮したまちづくりが積極的に行われています。
また、現在建設中の駅に直結した都市型住宅は、全住戸の共用部電力を実質再生可能エネルギーですべてまかなうほか、電気自動車の急速充電器も設置。カーボンニュートラルの普及にも取り組んでいます。
商業施設ではLED照明や一部太陽光発電システムパネルが導入され、今後は太陽光発電所を活用する予定も。
街全体でバリアフリーや車両と歩行者が交わらない歩車分離型を採用していたり、駅、商業施設、公園が緑を感じる自然な形でつながっていたり、人と街と環境が心地よく調和するものになっています。
日本経済団体連合会会長賞を株式会社市川環境ホールディングスが受賞
日本経済団体連合会会長賞には、株式会社市川環境ホールディングスの「食品循環資源のリサイクルを通じたグリーン電力の安定供給を実現」が選ばれました。
地球上の気温を上昇させる温室効果ガスを削減しながら、自然エネルギーによって発電される電力を毎日安定して供給しています。
エネルギー源は、食品系廃棄物から取り出したメタンガスを含むバイオガス。これを燃焼させて発電しています。
これまでは、廃棄物からプラスチック類や紙を分別するのが課題でしたが、これを解決することで、有機資源のより有効な利活用が可能になりました。その結果、想定していた1.5倍のバイオガスが生成され、いかに大量の有機資源が活用されずに燃やされていたかが判明しました。
フジサンケイグループ賞を鹿島建設株式会社が受賞
フジサンケイグループ賞を受賞したのは、鹿島建設株式会社の「海藻増殖技術の開発によって消滅した藻場を復活、ブルーカーボン創出に貢献」です。
大型海藻の消失が心配されるなか、アラメやカジメといった海藻の苗を生産し、消滅していた藻場を復活させる技術を開発。実際に、神奈川県葉山町の人工漁礁で約半年で藻場(もば)を復活さて、メバルの稚魚の成育場所や、イカの産卵墓所として使われていることが確認できました。
地域の漁業者と小学校、ダイバーらと協働して「葉山アマモ協議会」を結成し、藻場の再生保全活動だけでなく、学校への出前授業などの活動を20年間行ってきました。
そのほかの受賞者はこちら
地球環境大賞、日本経済団体連合会会長賞、フジサンケイグループ賞のほかに受賞した企業、自治体、学校はこちらになります。
●経済産業大臣賞/東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社、栃木県、宇都宮市、カルビー株式会社、キヤノン株式会社、久光製薬株式会社、東京ガス株式会社
既存工業団地の複数事業所間で電力と熱を共同利用する「清原工業団地スマエネ事業」~持続可能な産業構造・経済社会の実現~
●環境大臣賞/エア・ウォーター株式会社
炭酸ガスの地産地消を実現する小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」
●文部科学大臣賞/国立大学法人 東海国立大学機構(岐阜大学・名古屋大学)
新たな国立大学モデル「東海国立大学機構」としてカーボンニュートラル達成へ取り組む
●国土交通大臣賞/全日本空輸株式会社
「ANA Future Promise」を立ち上げ、グループで推進
●農林水産大臣賞/認定特定非営利活動法人 霧多布湿原ナショナルトラスト
霧多布湿原の原風景と自然の恵みを未来の子どもたちへ残す
●総務大臣賞/KDDI 株式会社、株式会社 KDDI 総合研究所 、鳥羽市
脱炭素社会の実現に貢献する水上ドローンを開発
●日本商工会議所会頭賞/株式会社エコリカ
使用済みカートリッジの資源循環を目的とした、調達、製品化拡大への挑戦
●奨励賞/川崎重工業株式会社
カーボンニュートラル社会実現に向けた「国際水素サプライチェーン」の構築
●奨励賞/損害保険ジャパン株式会社、SOMPOリスクマネジメント株式会社
洋上風力発電向け包括保険とリスクマネジメントサービスを 一気通貫で提供する「ONE SOMPO WINDサービス」
●奨励賞/株式会社ダイセル
ダイセル式生産革新を進化させた「バーチャルファクトリー」と「自律型生産システム」によるエコロジーとエコノミーの両立