• 体の中に熱がたまって、熱中症や夏バテなどを起こしやすい夏。この時季は、熱を取ったり、体力を補ってくれる食材を積極的に取り入れて、心身をすこやかに保ちましょう。東京・青山にある源保堂鍼灸院の瀬戸佳子先生に、夏に取りたい食材と、おすすめ料理のレシピを教えていただきました。日々の食事の素材を意識して食べると、体もぐっとラクになるはずです。
    (『天然生活』2020年7月号掲載)

    夏の食養生のための食材ガイド

    熱を取る

    画像: 熱を取る

    いわゆる「夏野菜」と呼ばれるウリ科の食材は、毎日のように食べておきたい。果物類も、この時季は心おきなく食べて。

    〈ウリ科〉 ●ゴーヤー、●きゅうり、●冬瓜、ズッキーニ

    〈野菜〉 トマト、なす、●緑豆もやし

    〈果物〉 スイカ、なし、パイナップル、バナナ、メロン

    〈その他〉 豆腐、●いんげん豆、緑茶

    ※●=梅雨にもおすすめ

    血流をよくする

    画像: 血流をよくする

    全身に酸素と栄養を運ぶ、血流をよくしてくれる食材。酢は引き締め効果があるので、汗が出すぎてしまうときなどにも効果的。

    〈青魚〉 ●あじ、●いわし、さば

    〈野菜〉 ●らっきょう、●玉ねぎ、●ししとう、●ピーマン

    〈その他〉 ●蕎麦、●酢

    ※●=梅雨にもおすすめ

    体を潤す

    画像: 体を潤す

    汗をかいた分、体の水分を補う食材を。水分を取っても喉の渇きがいやされず、体に水分が入ってこないと感じるときにおすすめ。

    〈野菜〉 トマト、アスパラガス

    〈果物〉 なし、ぶどう、もも、スイカ

    〈ウリ科〉 ズッキーニ、●きゅうり、●冬瓜

    〈肉類〉 豚肉

    〈その他〉 いか、豆腐、●梅干し、はちみつ、ヨーグルト

    ※●=梅雨にもおすすめ

    心を養う

    画像: 心を養う

    赤い食材は夏の時季に負担がかかる「心(しん)」を養ったり、夏の不調を緩和してくれるものが多いので、積極的に取るとよい。

    〈赤いもの〉 トマト、●梅干し、スイカ、●小豆、ハツ

    〈その他〉 ●ひじき、ウーロン茶、紅茶

    ※●=梅雨にもおすすめ

    元気をつける

    画像: 元気をつける

    夏土用に食べるうなぎのような、精をつける食材。動物性タンパク質の素材のほか、いも類、穀類、きのこ類などもしっかり食べて。

    〈肉類〉 豚肉、牛肉、鶏肉

    〈魚類〉 あなご、かつお、たこ、うなぎ、いわし

    〈野菜〉 アスパラガス、かぼちゃ、●やまいも

    〈その他〉 しいたけ、●穀類、●豆類、●きのこ類、はちみつ

    ※●=梅雨にもおすすめ

    夏の暑さを取り体力を補う 夏のレシピ
    「豚しゃぶ 梅味噌だれ」

    画像: 夏の暑さを取り体力を補う 夏のレシピ 「豚しゃぶ 梅味噌だれ」

    元気と潤いをもたらす豚バラ肉と、熱を取るきゅうりで夏にぴったり。

    ゆで汁はスープ類に活用して、料理の手間も省きましょう。

    材料(2人分)

    ● 豚バラ薄切り肉200g
    ● きゅうり1本
    ● 青じそ4枚
    ● もやし1袋
    〈梅味噌だれ〉
    ● 梅干し(大)1個
    ● 味噌大さじ1
    ● はちみつ大さじ1
    ● すりごま小さじ1
    〈ゆで汁〉
    ● 水700mL
    ● 塩小さじ1
    ● 酒大さじ2

    つくり方

     豚肉は常温にもどし、肉が重ならないよう、ばらしておく。きゅうり、青じそはせん切りにする。

     梅干しは果肉を包丁でたたき、梅味噌だれの材料すべてと混ぜておく。

     鍋にゆで汁の材料を入れて沸騰寸前まで沸かし、弱火にしての豚肉を数枚ずつ入れる。肉の色が変わったら引き上げ、よく湯をきり、そのまま冷ます。

     のゆで汁のあくを取ってから火を強め、もやしをさっとゆで、ざるにあげる(ゆで汁は下記のスープに活用するとよいので、取っておく)。

     器にのきゅうりを盛り、青じそを盛る。のたれをつけながらいただく。


    そのほかの、夏のおすすめ献立

    〈ごはん〉 梅干しごはん、緑豆ごはん、酢飯(ごま、青じそを加える)、とろろごはん など。
    ※ ぬか漬けを添えるとよい

    〈汁もの〉 きのこと香味野菜(みょうが、しょうが)のスープ、冬瓜のスープ、おくらとしいたけのスープ、なすと香味野菜のスープ など。※「豚しゃぶ」のゆで汁を活用するとよい



    〈監修/瀬戸佳子 イラスト/カトウミナエ 取材・文/田中のり子〉

    教えてくれた人
    瀬戸佳子(せと・よしこ)

    国際中医薬膳師、登録販売者。東京・青山にある源保堂鍼灸院・薬膳部にて「簡単、おいしい、体によい」をモットーに、東洋医学に基づいた食養生のアドバイス、レシピ提案ほか、漢方相談も行っている。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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