(『とびきりおいしい おうちごはん』より)
お肉のすがた、わかるかな?
お肉は、どんなお店でも、切り分けて売られています。でも、その原形を、ちょっと想像してみましょう。
鶏(にわとり)はなんとか手でかかえられるとしても、豚も牛も、人間よりずっと大きくて、重い動物です。
古くから、世界中のお祭りでは、動物の肉をごちそうとして、みんなで分けていただくことがならわしでした。
現代は、なかなかそういう機会もありませんが、「命をありがたくいただく」という意識を持つことも、料理には大切です。
部位によって、肉のやわらかさや脂の量もちがいます。その特徴に合う調理をすることで、肉料理はよりいっそうおいしくなります。
鶏肉のレモングリルのつくり方
皮がパリッとして、かむとジューシーなごちそうチキン。
カリカリポテトの主役級のおいしさにもおどろくはず。
材料(1人分)
● 鶏もも肉 | 1枚 |
● 塩 | 小さじ1(肉の量の1%) |
● サラダ油またはオリーブ油 | 大さじ1 |
● レモンの輪切り | 2枚 |
● にんにく | 1かけ(つぶす) |
● バター | 10g |
● レモン汁 | 小さじ2 |
● じゃがいも | 2、3コ |
● パセリやにんじんの葉は | あれば少々 |
つくり方
1 皮つきのじゃがいもは、かぶるくらいの水でゆでます。皮がやぶれるくらいのやわらかさになったら、手で軽くつぶして割っておきます。
2 鶏肉をまな板におき、皮がついた面の2、3か所にフォークをさして穴をあけます。こうすると焼いたときに肉がちぢみにくくなります。表と裏にまんべんなく塩をふります。
3 サラダ油、レモンの輪切り、つぶしたにんにくと一緒にポリ袋に入れます。
4 冷蔵庫で30分以上ねかせた後、鶏肉をポリ袋から出して、30分ほど室温においておきます。
5 フライパンをあたため、やや弱めの中火で、皮面から10分ほど焼きます。肉のとなりで1のじゃがいもを焼きます。
※鍋のふたや、別のフライパンの底など、重くて平らなものを肉の上におくと、皮面全体に火が通りやすくなります。
6 じゃがいもの表面にカリッとした焼き目がついたら、お皿に取り出しておきます。
7 肉を裏返し、余分な油をキッチンペーパーでふいて取りのぞいておきます。
8 バター、レモン汁、3のにんにく、レモンの輪切りを加えて、7~10分ほど焼いて、できあがり。仕上げにパセリなどを散らしてみましょう。
本記事は『とびきりおいしい おうちごはん』(小学館)からの抜粋です
〈撮影/安彦幸枝 文/小川奈緒 イラスト/三宅瑠人〉
野村友里(のむら・ゆり)
料理人。2012 年に東京・原宿にrestaurant eatrip 、2019年に東京・表参道にeatrip soilをオープン。ケータリングフードの演出や料理教室、食のドキュメンタリー映画『eatrip』で監督を務めるなど、幅広い活動をしている。「食の革命家」アリス・ウォータース率いるシェ・パニースで修業した経験を持つ。現在は朝日新聞デジタルにて、UAと「暮らしの音」を連載中。またJ-WAVE「SARAYA ENJOY! NATURAL STYLE」にて、長年ナビゲーターを務めている。著書に『eatlip gift 』『春夏秋冬 おいしい手帖』(ともにマガジンハウス)、『Tokyo eatri p』( 講談社)がある。2013年7月に『とびきり おいしいおうちごはん』(小学館)を発売。
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原宿にrestaurant eatripを開き、全米一予約の取れないレストラン「シェ・パニース」で修業した経験もある野村友里さんが、大人も驚くおいしさのレシピを、子どもがつくれるようにアレンジ。
唐揚げやチーズオムライス、ハンバーグや生姜焼きなどの基本の料理から、シェファーズパイ、お花しゅうまい、皮からつくるもちもち水餃子やラーメン、だしの取り方や手づくりウスターソースまで、 卵、肉、野菜、魚の料理を、約40レシピを紹介します。
レシピのほか、食の大切さや命をいただく大切さについても絵本仕立てで紹介し、「いつも何気なく口にしている食材はどこから来ているのか」といった食の本質について、わかりやすくたのしく伝える1冊です。