• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、8〜9月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。発酵料理は腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる食べ物として注目されています。物価の上昇が続くいま、お手ごろ価格の「旬」の食材をつかった保存食づくりを始める人も。栄養価が高いだけでなく、たくさん買ってもむだなく使いきれ、節約につながるのも魅力です。今回紹介するのは、「グリーンタバスコ」です。

    青とうがらしの薬膳的効能ついて

    青とうがらしは、もっともからだを温める「大熱」の性質に分類され、気や血のめぐりをよくして、とくに強く胃腸を温めたり、寒気を吹き飛ばす作用があるとされています。 冷えが気になる人や冷えによる腰痛や関節痛、腹痛などによいとされます。

    また、消化を促進して食欲を増進する働きもあります。辛いものを食べて大量に発汗すると、体に必要な水分を失い乾燥を招くので、摂り過ぎには注意しましょう。

    【保存食】グリーンタバスコのつくり方

    画像: 【保存食】グリーンタバスコのつくり方

    とうがらしと塩と酢という、3つの材料からつくられた、アメリカ生まれの辛味調味料タバスコ。

    本来は、ペースト状にしたとうがらしに塩を加えて樽に詰め、3年ほど熟成させたあと、酢で調味してつくられますが、家庭でも手軽につくれるようにアレンジしました。

    今回は赤とうがらしではなく青とうがらしを使うことで、さわやかな香りのタバスコに。青とうがらしは未熟なとうがらしで、そのまま完熟させたものが赤いとうがらしになります。

    野菜炒めにひとさじ加えたり、ミートボールやスープの隠し味にもおすすめ。ナンプラーと合わせると手軽にタイ風の香りになります。赤とうがらしでも同じ分量でつくることができます。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 青とうがらし100g
    ● 米酢50g
    ● 塩3g

    つくり方

     青とうがらしはへたと好みで種を取り、みじん切りにする。

    画像: 種を取るなら縦に切り込みを入れて、指で種をかき出す。刺激が強いので必ずゴム手袋などをつけて作業すること。種を取るとでき上がりは鮮やかな緑に、味わいはややマイルドになる

    種を取るなら縦に切り込みを入れて、指で種をかき出す。刺激が強いので必ずゴム手袋などをつけて作業すること。種を取るとでき上がりは鮮やかな緑に、味わいはややマイルドになる

     ミキサーにを入れて、細かくなるまで撹拌する。

     に塩と米酢を加えて、さらになめらかになるまで撹拌する。

    画像: できるだけ手早く作業して。撹拌中やふたを開けるときに、辛味が飛んでむせることがあるので注意。ミキサーがない場合は、すり鉢ですっても

    できるだけ手早く作業して。撹拌中やふたを開けるときに、辛味が飛んでむせることがあるので注意。ミキサーがない場合は、すり鉢ですっても

     熱湯消毒した瓶にを入れてふたをし、ときどき瓶を振りながら、冷蔵庫で2週間ほどねかせる。

    ※冷蔵庫で半年ほど保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。



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