• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、2~3月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。発酵料理は腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる食べ物として注目されています。物価の上昇が続くいま、お手ごろ価格の「旬」の食材をつかった保存食づくりを始める人も。栄養価が高いだけでなく、たくさん買ってもむだなく使いきれ、節約につながるのも魅力です。今回紹介するのは、「レモン麹」です。

    レモンの薬膳的効能ついて

    レモンは体に潤いを生み出し、渇きを止める作用があります。

    果汁は体を冷やしますが、皮はリモネンという香気成分が豊富で、血行をよくして体を温める働きが。さわやかな香りは、気のめぐりをよくして鬱々やイライラを吹き飛ばしてくれます。

    とくに胃の気を下げて正常化する作用があるため、胃に熱を持って口が乾くとき、口臭がするとき、ゲップが多いとき、また胃もたれや胃の不快感、消化不良などがよくなる効果が期待できます。

    ただし、酸味が強いので、胃の調子が悪い人は控えめにしましょう。

    【保存食】レモン麹のつくり方

    画像: 【保存食】レモン麹のつくり方

    塩麹にレモンを丸ごと刻んで加えた、新しい発酵調味料。

    レモンの皮のほのかな苦味とさわやかな柑橘の香り、果汁のまろやかな酸味と米麹の甘味が溶けあった、まろやかで複雑な味わいが魅力です。

    これひとつで、塩味、苦味、酸味、甘味の四味がそろいますから、料理に使えば、味つけにもグッと奥行きが出ます。

    ドレッシングやスープの隠し味に使ったり、ポテトサラダや鍋に加えたりとアレンジもいろいろ。きっと新しい味に出合えるのではないでしょうか。

    皮ごと使うので、国産の無農薬のレモンでつくってみてください。

    材料(つくりやすい分量)

    ● レモン1個(約100g)
    ● 米麹(生)100g
    ● 塩30g
    ● 水100mL
    *乾燥麹を使う場合は、50mLほどのぬるま湯(40度前後)に、30分ほどひたして戻してから使う。

    つくり方

     レモンはよく洗い、水気をふき取る。ヘタを落として半分に切り、種を取り除いてから、皮ごとみじん切りにする(または粗めに刻んでからミキサーにかける)。米麹はかたまりがあれば手でほぐしておく。

    画像: 種は竹串などで取り除き、輪切りにしてからみじん切りにする

    種は竹串などで取り除き、輪切りにしてからみじん切りにする

     熱湯消毒した保存瓶にと塩、水を入れて、よくかき混ぜる。

     常温におき、一日1回よくかき混ぜ、とろりとしたらでき上がり。完成までは、冬と秋は1週間〜10日、春と夏は4〜5日が目安。

    ※冷蔵庫で約1カ月保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。



    本誌プレゼントへのご応募はこちら

    お得な定期購読はこちらを
     (富士山マガジンサービス)

    連載,おいしいもの,レシピ,山田奈美,山田奈美の旬を味わう手しごとごよみ

    This article is a sponsored article by
    ''.