• 心をほっと落ち着かせてくれる、お茶のひととき。そんな時間を、もっと充実させてくれるお気に入りのお茶セットを、フードエッセイストの平野紗季子さんに教えてもらいました。
    (『天然生活』2021年10月号掲載)

    現実と夢を行き来するような、特別なひととき

    「私にとって、お茶の時間は日常の延長線上でありながらも、日常ならざるもの。おいしいお菓子と香り高いお茶をいただくことが、毎日の心の潤いになっています」

    そう語る平野さんにとって、お茶の時間は現実と夢を行き来するような特別なひととき。自身がプロデュースしたバタークリームたっぷりの「(NO)RAISIN SANDWICH」は、アッサムティーと一緒にいただくのが定番です。そんなふうにゆっくりとお茶を飲む至福の時間を演出するのが、お気に入りのカップたちです。なかでも、いま一番気に入っているのが、カップの中に犬がちょこんと座っているもの。

    画像: とぼけた表情の犬のカップは、スウェーデンの陶芸家エレオノール・ボストロムの作品。平野さんがプロデュースする洋菓子「(NO) RAISIN SANDWICH」と一緒に

    とぼけた表情の犬のカップは、スウェーデンの陶芸家エレオノール・ボストロムの作品。平野さんがプロデュースする洋菓子「(NO) RAISIN SANDWICH」と一緒に

    「なんともいえない目つきでこちらを見ている犬が、すごくかわいいですよね。たまたま入った店で、この犬と目が合って、ひと目ぼれしてしまいました」と、愛おしそうにカップを手に取ります。

    平野さんが、もうひとつ紹介してくれたのは、竹村良訓さんの作品。竹村さんの作品が販売されると聞いて、朝8時のオープン前にお店に駆けつけ、並んでまで手に入れた大切なカップとお皿です。

    画像: 陶芸家・竹村良訓(よしのり)さんのカップとお皿。美しいグラデーションのマーブル模様は、ひとつひとつ異なった表情を見せる

    陶芸家・竹村良訓(よしのり)さんのカップとお皿。美しいグラデーションのマーブル模様は、ひとつひとつ異なった表情を見せる

    「取っ手の形ひとつとっても独特で、チャーミング。淡いピンクのマーブル色のお皿に、カップとお菓子を載せるだけで、かわいくまとまります」

    画像: アンティークらしいふっくりしたティーポットに、お湯をつぎ足しながら紅茶を飲む時間には、日常を“線”で味わう豊かさが

    アンティークらしいふっくりしたティーポットに、お湯をつぎ足しながら紅茶を飲む時間には、日常を“線”で味わう豊かさが



    〈撮影/近藤沙菜 取材・文/工藤千秋〉

    平野紗季子(ひらの・さきこ)
    雑誌の連載執筆、イベント企画運営など、食を中心に幅広く活動。自身のフードレーベル「HIRANO FOOD SERVICE」から生まれた「(NO)RAISIN SANDWICH」ではオンライン定期販売をスタート。著書に『私は散歩とごはんが好き(犬かよ)。』。

    インスタグラム:@noraisinsandwich

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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