(『マダム・ロッタとパリ行かない?』より)
日程にぜひ週末をいれてね
「おすすめの蚤の市はどこですか?」「お皿はどこの蚤の市で買えるの?」と聞かれたら、わたしは迷わず「ヴァンヴの蚤の市!」(14区)と答えます。
プロの友人たちからは「えーっ! ヴァンヴは高いよー」「郊外の蚤の市の方が安いのに」って言われるけど、旅行者なら(わたしも)十分楽しめます。
ヴァンヴの蚤の市の開催は土曜日と日曜日。せっかくなら土曜日の一番に買い物したい(と思いません?)。
なので早朝品物を並べている時からじーっと品定め。「触っていいですか?」と確認してから手に取らせていただきます。
この時、もし気にいったら「一周してひと通り見てから決めよう」「あとで戻りまーす」は危険キケン! 戻ったら「あれ? ない...」というくやしい経験をわたしは何度もしました。
素敵! と思った物はみんなも素敵と思うぐらいに思って。なんなら買わなくて後悔するより、買って後悔した方がマシかも(笑)。
もし日曜日に行った場合、お買い物が少なかったら(荷物が軽かったら)、 ヴァンヴの蚤の市からラスパイユのBIOマルシェへのはしごもおすすめです。
スリには御用心
パリの北側に位置するクリニャンクールの蚤の市はかなり治安が悪いと言われているので何年も行かずにいましたが、おととし息子をボディガードにして久しぶりに緊張しながら行ってみたら、いいお店(わたしが言ういいお店とは、お皿がたくさん並んでいるお店)が増えていました。
これは本当は内緒にしたい情報。
ただクリニャンクールの蚤の市は市内のはずれ(18区)にあるから、メトロの中から細心の注意が必要です。
蚤の市に行く人は現金を持ち歩いていることをスリ集団は知っているから。
バスの路線を調べてバスで行くのも一つの手です。
もし両手がふさがるほど買い物をたくさんしたら、帰りはタクシーでホテルに直行してください。
そんな思いをして持ち帰った戦利品たちは、それはそれはかわいいものです。
本記事は『マダム・ロッタとパリ行かない?』(旭屋出版)からの抜粋です
桜井かおり(さくらい・かおり)
文筆家、カフェアドバイザー。東京・代官山の人気雑貨店等での勤務を経て、2001年3月、松陰神社前商店街に『café Lotta』を開業。20年の節目となる2021年9月、建物の老朽化による取り壊しで、多くのファンに惜しまれつつ閉店。現在は、文筆家として、天然生活webにて連載『カフェロッタ桜井かおりの雑記帖』を執筆の他、講演会の講師、オンライン・トークサロン「Salon de Kaori」の開催、パリのアンティーク食器の買い付け等、幅広く精力的に活動する。著書に「カフェロッタのことと、わたしのこと」「愛してやまないカフェロッタのことと、わたしのこと」(旭屋出版)。
インスタグラム:@kaorilotta
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