(『天然生活』2021年11月号掲載)
師匠の味を受け継ぎながら進化を続ける、王道家庭料理
「どれも、ふつうの料理でしょう」と笑う本田明子さんの師匠は小林カツ代さん。
弟子入りのきっかけは、高校生のときに感動した「白身魚のボンファム」。ホワイトソースがベースの、フランス料理です。
「師匠のレシピは、今回のえびグラタンと同じ、失敗知らずの10分でできるホワイトソース。ダマをつくらないコツは、バターと薄力粉以外に、玉ねぎという媒体を入れること。粉を入れて炒めたら、火を止めて、冷たい牛乳を加えることです」
従来の、粉に温めた牛乳を入れる方法とは違う、薄力粉が水溶性であることを生かした斬新な方法でした。
「料理にはおいしくなるコツがあり、道理を知れば、だれでもおいしくつくれるようになります。師匠から受け継いだ知恵を伝授しますので、ぜひ、家族から何度もリクエストされるような味に育ててください」
えびマカロニグラタンのつくり方
「絶対に失敗しない、10分でできるホワイトソース」。コツは、薄力粉を単独ではなく、玉ねぎなど、ほかの材料と炒めること。火にかけず、冷たい牛乳を少しずつ加えてなめらかにすることです。
材料(2人分)
● マカロニ | 60g |
● むきえび | 100g |
● 生マッシュルーム | 50g |
〈オニオン入りホワイトソース〉 | |
・玉ねぎ | 1/8個 |
・バター | 15g |
・薄力粉 | 大さじ2 |
・牛乳 | 2カップ |
・塩 | 小さじ1/4 |
・こしょう | 少々 |
● 粉チーズ | 大さじ2 |
● パン粉 | 大さじ2 |
● バター | 適量 |
つくり方
1 たっぷりの湯を沸かして、マカロニを袋の表示時間どおりにゆでて、水けをきる。
2 マッシュルームは縦4つに切る。玉ねぎは薄切りにする。
3 ホワイトソースをつくる。鍋にバターと玉ねぎを入れて中火で炒め、しんなりしたらごく弱火にして薄力粉をふり入れ、2分ほどさらに炒める。
4 いったん火を止め、牛乳1/2カップを加える。木ベラでなめらかに混ぜ、残りの牛乳を3回ぐらいに分け、加えて混ぜる(火を止めたまま、やさしくかき混ぜていると、薄力粉が溶けていく)。
5 薄力粉が完全に溶けたら、再び火にかける。ときどき混ぜながら、弱火で10分ほど煮る。
6 えびとマッシュルームを加え、えびに火が通ったら火を止める。塩、こしょうで味をととのえて、マカロニを混ぜる。
7 耐熱容器の内側を水でサッとぬらし、6を入れ、粉チーズ、パン粉、ちぎったバターを散らす。200℃に温めたオーブンで、10~15分、チーズがこんがりするまで焼く。※浅い器なら、オーブントースターでも焼ける。
ホワイトソースのひと工夫
まずは鍋にバターと玉ねぎを入れ、中火にかけ、バターを溶かす。
ごく弱火にし、炒めた玉ねぎにまずは薄力粉をまとわせて炒める。
粉がしっとりしたら火からおろし、牛乳を入れて鍋底から混ぜる。
さらに牛乳を加え、クリーム状になるまで、ゴムベラで混ぜる。
〈撮影/鈴木正美 スタイリング/竹内万貴〉
本田明子(ほんだ・あきこ)
家庭料理家。1982年小林カツ代の内弟子第一号となる。25年間、キッチンスタジオのスタッフ、レシピ製作責任者として200冊近い料理本に携わる。著書に『小林カツ代の伝説のレシピ』(家の光協会)ほか。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです