• 個性的なログハウスをつくるメーカー「BESS」の、「間貫け」がコンセプトという新しい家について、エッセイストの柳沢小実さんが聞きました。
    (『天然生活』2024年1月号掲載)

    BESSの新しい家「間貫けのハコ(まぬけのはこ)」

    柳沢小実さんが訪れたのは、東京・代官山にあるBESSの単独展示場、「BESS MAGMA」。目的は、「間貫けのハコ(まぬけのはこ)」というBESSの新しい家。

    迎えてくれたのは、住人目線で暮らしのコンセプトを考える仕事をしている植田典子さんです。

    画像: 新しい家、「間貫けのハコ」模型を前に談笑する柳沢小実さん(右)と植田典子さん。細部まで丁寧なつくりに、イメージが膨らむ。「実際に暮らしているときの様子を想像できます」(柳沢さん)

    新しい家、「間貫けのハコ」模型を前に談笑する柳沢小実さん(右)と植田典子さん。細部まで丁寧なつくりに、イメージが膨らむ。「実際に暮らしているときの様子を想像できます」(柳沢さん)

    植田典子さん(以下、植田)

    商品開発をするとき、一般的なハウスメーカーは年齢やテイストなどから考えることが多いと思います。BESSの場合、家を通じてこの時代を生きる人たちにどういう提案をしたいかというところから考えるんです。

    情報が飽和する現代、めまぐるしく息もつけない。そんな状況でも心のオアシスとなるような家をつくりたいという思いから出てきたのが、「まぬけ」というコンセプトでした。

    窮屈になっていく世の中で、風通しがよかったり、緩んだりするための「ま」や、適度な隙、住人が自由に手を加えられる「ぬけ」が必要なのでは、と。

    「貫(ぬ)け」は、材と材をつなぐ水平材の貫(ぬき)にもつながります。人と人、人と自然をつなぐ家を提案し、BESSの強い価値観を貫(つらぬき)たいという思いも込めています。

    柳沢小実さん(以下、柳沢)

    私も家を建てたときに、家族構成や年齢などが下敷きにあって話が進んでしまうので、極力なにもつくり込まず、ただの箱にしてほしいとお願いしたんです。

    住む人の年齢や時間の使い方が変わったときに、ちょっとずつ住みやすいように変えられる、“ま” や “ぬけ” の余白がある家には共感します。

    植田

    これまではウッドデッキの提案をすることが多かったのですが、今回は縁側をつくりました

    ご近所さんがふらっと立ち寄れたり、腰掛けて庭を眺められたり。人と人、人と自然をつなぐ中心になったらと考えたんです。

    屋久島の杉を無塗装で使っていて、経年変化や手触りも楽しめます。

    縁側からひとつながりの屋内では、床座の暮らしもおすすめしたいと思っています。薪ストーブも小ぶりで、床に座ったときにちょうどいい高さになっています。

    柳沢

    縁側、いいですね!

    よく訪れている台湾では、玄関からではなく、庭から呼ばれて出入りすることが多かったです。開放感があって、親しみやすいところが好きなんです。

    縁側があれば入りやすいし、家主の気持ちひとつで、話が弾んだら家の中に招いてお茶を飲んでもいいし、縁側だけでとどめることもできる。開いているけれどプライバシーはあるというのは、ほどよいです。

    床座もいいですね。ソファーがあっても、つい床でごろんとしてしまう。リラックスできるんですよね。目線を低くすると広く見えますし。

    画像: BESSの新しい家「間貫けのハコ(まぬけのはこ)」
    画像: 縁側は幅6m以上あり広々。「縁側のある床座の暮らし、あこがれますね。我が家のように趣味の多い夫婦ふたりでも、家族4人でも、いろいろな家族構成に合いそう」(柳沢さん)

    縁側は幅6m以上あり広々。「縁側のある床座の暮らし、あこがれますね。我が家のように趣味の多い夫婦ふたりでも、家族4人でも、いろいろな家族構成に合いそう」(柳沢さん)

    ひとつながりの屋内に、アルマジロモチーフの外観

    植田

    玄関から入ると、右手には「おくの間」と呼んでいるフリースペースがあります。

    2階は「うえの間」と呼ぶロフトで、部屋と収納スペースになっていますが、ドアをつけるもつけないも自由な、気持ちよく空気が通るおおらかな空間です。

    壁には国産の杉を使い、5・7・9cm幅の材をランダムに張るすだれ張りで、丸太のような表情が出るようになっています。

    画像: 玄関を入り右手のフリースペース・おくの間。物置にしたり、来客の寝室にしたり、用途いろいろ

    玄関を入り右手のフリースペース・おくの間。物置にしたり、来客の寝室にしたり、用途いろいろ

    画像: 2階は「うえの間」と呼ばれるスペース。寝室のほか、クローゼットや、収納スペースとして使える

    2階は「うえの間」と呼ばれるスペース。寝室のほか、クローゼットや、収納スペースとして使える

    柳沢

    木の家は香りにもいやされそうですし、住んだことがないので、あこがれます。意外と手が届きやすい価格も魅力的ですね。

    植田

    ウッドショックやウクライナ情勢による資材の高騰もありましたが、BESSの家を建てたくても価格で諦めるということがないように、努力しました

    柳沢

    屋根の模様もかわいいな、と思って。インパクトがあり、遊び心や愛きょうも感じられます。

    植田

    オプションで選べるうろこスレートで、デザインモチーフはアルマジロなんですよ。丸型のスレート材を使っています。

    画像: 「まぬけ」というコンセプトに沿うよう、屋根の勾配は急すぎない7寸勾配。庭と屋内をつなぐのんびりとした縁側に、内部はひとつながりのゆったりとした構えだ。窓の位置、高さも細部までよく考えられている。「外の景色は見えて、プライバシーは守られるので、パジャマで階段を上り下りしても大丈夫です」(植田さん)

    「まぬけ」というコンセプトに沿うよう、屋根の勾配は急すぎない7寸勾配。庭と屋内をつなぐのんびりとした縁側に、内部はひとつながりのゆったりとした構えだ。窓の位置、高さも細部までよく考えられている。「外の景色は見えて、プライバシーは守られるので、パジャマで階段を上り下りしても大丈夫です」(植田さん)

    画像: ひとつながりの屋内に、アルマジロモチーフの外観

    柳沢

    抜けのいい暮らし、外に開いた暮らしをしたいと思っても、ただ考えているだけでは、なかなか実現できないんですよね。

    でも、家が変わると自然とできるようになるのではないかと思いました。

    自分の理想とするライフスタイルを、家という環境から整えていく。縁側のある家に住んで、オープンな暮らしをしてみたいです。

    モデルハウスができたら、遊びに行かせてください。

    * * *

    柳沢小実(やなぎさわ・このみ)
    エッセイスト。整理収納アドバイザー。衣・食・住・旅にまつわる情報をメディアを通じて発信。ナチュラルな暮らしぶりにもファンが多い。最新刊に『わたしのごほうび時間 大人のゆったり旅』(大和書房)。

    BESSの木の家「間貫(まぬ)けのハコ」

    画像: BESSの木の家「間貫(まぬ)けのハコ」

    「まぬけ」がコンセプトのBESSの新商品「間貫けのハコ」は、「ま」と「ぬけ」が人と人の心をつなぎ潤す、“縁側みたいな家”。アルマジロをデザインモチーフにした個性的な印象の外観に、室内は国産杉に囲まれたおおらかな空間だ。家と庭、家族とご近所をつなぐ、新時代のオアシスの実現を目指している。

    * * *

    全国に約35カ所あるBESSの単独展示場「LOGWAY」では、BESSが提案する木の家の暮らしをゆったり体験いただけます。公園のようにどなたでも気軽に来られ、予約不要で自由に体験できます。秋から冬にかけては、薪ストーブの炎を眺めながらくつろぐのがおすすめです。

    (問)BESS
    TEL.03-3462-7000
    https://www.bess.jp/

     

    提供/BESS

    〈撮影/山田耕司 取材・文/長谷川未緒〉

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




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