(『天然生活』2024年1月号掲載)
きじま家のお正月
「年によって年末年始の状況はいろいろですよね。おせちをつくる余裕がないときもあるでしょうし。今年はがんばってみよう、お休みしよう、といった具合に、年によって違っていいと思います」と話すきじまりゅうたさん。
元旦には、母の直美さんと持ち寄りをする「合作おせち」を楽しみにしているそうです。
「りゅうたが肉料理と伊達巻き。私は炒りどり、なます、ごまめ、きんとんといった、母の世代からの定番おせち担当です。新年は何より、顔を合わせてあいさつして、互いの無病息災を願う。まずはそれに尽きます」と直美さん。
料理研究家として3代続くきじま家ですが、こういった自然体のお話を伺うと、ホッとした気持ちになりますね。
最近では、盛りつけは重箱を使わず、大皿も増えたそうです。
「祖母から受け継いだ染め付けと、僕が集めた現代作家ものを取り合わせたり。母と話しながら盛りつけると勉強にもなります」
りゅうたさんのおもたせ
杵島直美さん
「紅白なます」のつくり方
ゆずの皮をなますに、しぼり汁を調味液に合わせることで、風味よくさっぱり。きざむ作業に正月感が高まります。にんじんを控えめにすると色味が上品に。
材料(つくりやすい分量)
● 大根 | 1/2本(正味500g) |
● にんじん(細いもの) | 4cm(正味50g) |
● 黄ゆず | 1個 |
● 塩 | 適量 |
● A | |
・ 酢 | 1/2カップ |
・ 砂糖 | 大さじ3 |
・ 湯冷まし、みりん | 各大さじ2 |
・ 塩 | 小さじ1/3 |
つくり方
1 大根は4cm厚さの輪切りにし、皮を厚めにかつらむきにする。縦に薄切りにして重ね、繊維に沿ってせん切りにする。にんじんも同様にせん切りにする。
2 大根とにんじんの下づけをする。大根はポリ袋に入れ塩大さじ1/2をふり入れ、袋の上からもんで塩をなじませて空気を抜き、口を閉じて30分ほどおく。にんじんも塩少々をふり入れ同様に下づけする。
3 ゆずは皮ごと洗い横半分に切り、果汁をしぼる。皮1/4個分は白いワタをそいでのぞきせん切りにする。
4 ボウルにAとゆずのしぼり汁を入れてよく混ぜ、水けをきつくしぼった大根とにんじん、ゆずの皮を加え混ぜ合わせて平皿を重し替わりにのせ、1時間ほどつける。
※食べる分だけ盛りつけ、残りは保存容器に入れておけば数日間はおいしく食べられる。
※「新年を祝う、きじま家の料理」は『天然生活』2024年1月号、P.4~10に掲載されています。
<料理・スタイリング/杵島直美、きじまりゅうた 撮影/林 紘輝 取材・文/吉田佳代>
杵島直美(きじま・なおみ)
料理研究家である母、故・村上昭子氏より、伝統的な家庭料理を受け継ぎ、時代に合わせたつくりやすい家庭料理を提案する。母 から受け継いだ梅干しや漬物づくりには定評がある。近年の趣味は日本各 地の温泉&郷土料理めぐり。インスタグラム@tezukurinaomiを更新中。
きじま・りゅうた
祖母、母の味を受け継ぐ料理研究家の3代目。幼いころから料理撮影の現場を見ながら育つ。雑誌からテレビ、講演など活躍の 場は多岐にわたり、公式YouTubeチャンネル「きじまごはん」では、い つもの料理が楽しくなる、動画ならではのコツをていねいに紹介している。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです