• 3代続く家庭料理研究家のきじま家では、どのようなおせち料理をつくっているのでしょうか。この時季の和洋のおもてなしにも合うごちそうおかずを、杵島直美さんときじまりゅうたさんに教えていただきました。今回は、「だし汁」の取り方と、直美さんに「ごちそう炒りどり」のつくり方を教わります。
    (『天然生活』2024年1月号掲載)

    「だし汁」はたっぷりとっておく

    煮ものにお雑煮に、お正月料理にだし汁をたくさん使う方は、年末にまとめてとっておくと重宝します。

    材料とつくり方(約5カップ分)

    鍋に水5と1/2カップとさっとふいた昆布12cmを入れて弱火にかける。煮立つ直前に昆布を引き上げ、かつおの削り節(花かつお)20gを加えて2分ほど煮て火を止め、鍋底に沈んだら静かにこす。

    ※冷蔵庫で2〜3日保存可能。

    きじま家のお雑煮

    画像: きじま家のお雑煮

    お雑煮はすまし仕立てのシンプルなもの。温めただし汁にしょうゆ、酒、みりん、塩で調味。亀甲大根と鶏肉を加えて煮たあっさりした味です。

    亀甲大根を椀の底に敷くことで、餅が椀にくっつくのを防ぎます。具は、焼き餅と手綱かまぼこ、小松菜。焼き餅は熱湯にくぐらせてから加えます。

    杵島直美さん
    「ごちそう炒りどり」のつくり方

    和食の定番煮もの炒りどりも、具材を形切りにすることでごちそうおせちに。栗の甘露煮も加えて色華やかです。きざんでちらし寿司にするのもおすすめ。

    画像: 杵島直美さん 「ごちそう炒りどり」のつくり方

    材料(4人分)

    ● だし昆布(細いもの)12cm
    ● だし汁1と1/2カップ
    ● 鶏もも肉小1枚(正味200g)
    ● 生しいたけ1パック
    ● こんにゃく(白)1/2枚
    ● ごぼう(太い部分)1/2本
    ● にんじん(太い部分)1/2本
    ● れんこん(細いもの)2節
    ● きぬさや5〜6枚
    ● 栗の甘露煮(つくりおき、または 市販品)適量
    ● A
    ・ しょうゆ大さじ3
    ・ 砂糖、みりん、酒各大さじ1

    つくり方

     結び昆布をつくる。昆布は水1/2カップ(分量外)に5分ほどひたし、やわらかくなったら1cm幅に切ってひと結びする。もどし汁はとっておく。

     手綱こんにゃくをつくる。こんにゃくは7〜8mm幅に切り、中央に切り目を入れて片端を切り目にくぐらせて返し、手綱の形にしてから下ゆでする。

     鶏肉は余分な脂を取りのぞいて10〜12等分の角切りにする。熱湯に入れ、色が変わったらすぐにざるにあげる。

     ごぼうは皮をこそぎひと口大の乱切りにし熱湯に入れ、2分ほど下ゆでする。しいたけは石づきをのぞき斜め半分のそぎ切りにする。

     梅花にんじんをつくる。にんじんは1cm厚さの輪切りにして梅型で抜く。花の中央に向けて切り目を入れ、片側から花びらの部分を斜めに削って立体感を出す。裏側も同様に削り、かためにゆでる。

     花れんこんをつくる。れんこんは皮をむいて1cmの輪切りにして花形になるようにV字に切り込みを入れて水にさらす。

     矢羽絹さやをつくる。きぬさやは塩ゆでしてからへたの方をV字に切りおとす。

     鍋に油大さじ1(分量外)を熱してを炒め、肉に油がまわったらを加えざっと炒め合わせる。

     の昆布ともどし汁、だし汁を加え、煮立ったら火を弱め、Aで調味する。ふたをして弱めの中火で15分ほど煮てからを加え、さらに5〜6分煮る。

    10 具を片端に寄せて鍋を傾け、あいたところにを加えて火を強める。木べらでやさしく混ぜ3分ほど煮て、を加えてひと混ぜし、火を止める。栗の甘露煮を加えて盛りつける。

    ※「新年を祝う、きじま家の料理」は『天然生活』2024年1月号、P.4~10に掲載されています。



    <料理・スタイリング/杵島直美、きじまりゅうた 撮影/林 紘輝 取材・文/吉田佳代>

    画像: つくり方

    杵島直美(きじま・なおみ)
    料理研究家である母、故・村上昭子氏より、伝統的な家庭料理を受け継ぎ、時代に合わせたつくりやすい家庭料理を提案する。母 から受け継いだ梅干しや漬物づくりには定評がある。近年の趣味は日本各 地の温泉&郷土料理めぐり。インスタグラム@tezukurinaomiを更新中。

    きじま・りゅうた
    祖母、母の味を受け継ぐ料理研究家の3代目。幼いころから料理撮影の現場を見ながら育つ。雑誌からテレビ、講演など活躍の 場は多岐にわたり、公式YouTubeチャンネル「きじまごはん」では、い つもの料理が楽しくなる、動画ならではのコツをていねいに紹介している。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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