ゆずの薬膳的効能ついて
ゆずは消化を促進したり、疲労回復、むくみの改善、気のめぐりをよくしたりする働きがあります。
皮にはヘスペリジンというポリフェノールの一種が含まれ、抹消の血管を拡張して血のめぐりをよくし、体を温め、冷えの改善にとても役立ちます。
ヘスペリジンの含有量は、みかんの20倍、レモンの3倍と柑橘類の中でも格段に多いため、皮ごと摂れるゆず茶はとても効果的です。
【保存食】ゆず茶のつくり方
韓国で古くから親しまれている伝統的な飲み物、ゆず茶。お茶といっても茶葉を使うわけではなく、ゆずを皮ごと砂糖やはちみつなどでつけ込んだものです。
柑橘の清々しい香り、皮の苦味と果汁の酸味、そしてはちみつなどの甘味があいまった、バランスのとれた冬ならではの味わいです。
生のままつけ込むのが最も香り高いのですが、長期保存したい場合は、中火にかけてアクを取りながら、白いワタの部分が透き通ってくるまで煮詰めてください。ジャムのようになって、冷蔵で2カ月ぐらい保存できます。
材料(つくりやすい分量)
● ゆず(種を除く) | 300g |
● はちみつ | 200〜300g(好みで調整) |
つくり方
1 ゆずは洗って水けをきれいにふく。横半分に切って種を取り除き、果汁を絞る。
2 皮は内側の白いワタや内袋ごと、2cm長さのせん切りにする。
3 煮騰消毒した保存瓶に2とはちみつを交互に繰り返し入れる。一番上にはちみつをかける。
4 1の果汁を加え、常温でひと晩以上おく。飲むときは、カップにゆず茶大さじ1~2を入れ、熱湯150mLほど注ぐ。
※室温で約2週間、冷蔵庫で約1カ月保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」