• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、1~2月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。発酵料理は腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる食べ物として注目されています。物価の上昇が続くいま、お手ごろ価格の「旬」の食材をつかった保存食づくりを始める人も。栄養価が高いだけでなく、たくさん買ってもむだなく使いきれ、節約につながるのも魅力です。今回紹介するのは、「ゆず茶」です。

    ゆずの薬膳的効能ついて

    ゆずは消化を促進したり、疲労回復、むくみの改善、気のめぐりをよくしたりする働きがあります。

    皮にはヘスペリジンというポリフェノールの一種が含まれ、抹消の血管を拡張して血のめぐりをよくし、体を温め、冷えの改善にとても役立ちます。

    ヘスペリジンの含有量は、みかんの20倍、レモンの3倍と柑橘類の中でも格段に多いため、皮ごと摂れるゆず茶はとても効果的です。

    【保存食】ゆず茶のつくり方

    画像: 【保存食】ゆず茶のつくり方

    韓国で古くから親しまれている伝統的な飲み物、ゆず茶。お茶といっても茶葉を使うわけではなく、ゆずを皮ごと砂糖やはちみつなどでつけ込んだものです。

    柑橘の清々しい香り、皮の苦味と果汁の酸味、そしてはちみつなどの甘味があいまった、バランスのとれた冬ならではの味わいです。

    生のままつけ込むのが最も香り高いのですが、長期保存したい場合は、中火にかけてアクを取りながら、白いワタの部分が透き通ってくるまで煮詰めてください。ジャムのようになって、冷蔵で2カ月ぐらい保存できます。

    材料(つくりやすい分量)

    ● ゆず(種を除く)300g
    ● はちみつ200〜300g(好みで調整)

    つくり方

     ゆずは洗って水けをきれいにふく。横半分に切って種を取り除き、果汁を絞る。

     皮は内側の白いワタや内袋ごと、2cm長さのせん切りにする。

    画像: 繊維を断ち切るように切ると、食感がやわらかくなる

    繊維を断ち切るように切ると、食感がやわらかくなる

     煮騰消毒した保存瓶にとはちみつを交互に繰り返し入れる。一番上にはちみつをかける。

     の果汁を加え、常温でひと晩以上おく。飲むときは、カップにゆず茶大さじ1~2を入れ、熱湯150mLほど注ぐ。

    ※室温で約2週間、冷蔵庫で約1カ月保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。



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