レモンの薬膳的効能ついて
レモンは体に潤いを生み出し、渇きを止める作用があります。
果汁は体を冷やしますが、皮はリモネンという香気成分が豊富で、血行をよくして体を温める働きが。さわやかな香りは、気のめぐりをよくして鬱々やイライラを吹き飛ばしてくれます。
とくに胃の気を下げて正常化する作用があるため、胃に熱を持って口が乾くとき、口臭がするとき、ゲップが多いとき、また胃もたれや胃の不快感、消化不良などがよくなる効果が期待できます。
ただし、酸味が強いので、胃の調子が悪い人は控えめにしましょう。
【保存食】レモン麹のつくり方
塩麹にレモンを丸ごと刻んで加えた、新しい発酵調味料。
レモンの皮のほのかな苦味とさわやかな柑橘の香り、果汁のまろやかな酸味と米麹の甘味が溶けあった、まろやかで複雑な味わいが魅力です。
これひとつで、塩味、苦味、酸味、甘味の四味がそろいますから、料理に使えば、味つけにもグッと奥行きが出ます。
ドレッシングやスープの隠し味に使ったり、ポテトサラダや鍋に加えたりとアレンジもいろいろ。きっと新しい味に出合えるのではないでしょうか。
皮ごと使うので、国産の無農薬のレモンでつくってみてください。
材料(つくりやすい分量)
● レモン | 1個(約100g) |
● 米麹(生) | 100g |
● 塩 | 30g |
● 水 | 100mL |
*乾燥麹を使う場合は、50mLほどのぬるま湯(40度前後)に、30分ほどひたして戻してから使う。 |
つくり方
1 レモンはよく洗い、水気をふき取る。ヘタを落として半分に切り、種を取り除いてから、皮ごとみじん切りにする(または粗めに刻んでからミキサーにかける)。米麹はかたまりがあれば手でほぐしておく。
2 熱湯消毒した保存瓶に1と塩、水を入れて、よくかき混ぜる。
3 常温におき、一日1回よくかき混ぜ、とろりとしたらでき上がり。完成までは、冬と秋は1週間〜10日、春と夏は4〜5日が目安。
※冷蔵庫で約1カ月保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」