• 「産業の発展と地球環境との共生」を目指す、フジサンケイグループ主催の地球環境大賞。今年は大賞を受賞した森ビル株式会社の「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」「麻布台ヒルズ」のほか、10件を超える受賞が発表されました。その中から、プラスチック肥料をゼロにする高校の取り組みと、瀬戸内海の生態系を豊かにする藻場(もば)を創生するプロジェクトなどを紹介します。

    地球環境大賞とは?

    画像: 過去の表彰式の様子

    過去の表彰式の様子

    1992年(平成4年)に創設された、環境保護や持続可能な開発、活動を行った企業、自治体、学校などを表彰する地球環境大賞

    これまでに、地球温暖化、海洋汚染、水質汚染、大気汚染、森林破壊といった環境問題などに真摯に向き合い、成果を上げてきた受賞者のべ323の企業、自治体、学校が表彰されてきた。

    32回目を迎える今年は、地球環境大賞を、森ビル株式会社「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」と「麻布台ヒルズ」が開業~豊かな緑地空間と再エネや廃棄物のための先進システムを設置~が受賞。

    虎ノ門ヒルズでは、屋上庭園や階段状のテラスなどの豊かな緑地空間に、生物多様性に配慮した緑や小川を創出。「麻布台ヒルズ」は約2 万4,000m²の圧倒的な量の緑を確保し、コミュニティづくりや環境教育、ヒートアイランド現象の緩和、生態系の保全などに寄与している。

    そのほかに、11件の受賞が発表された。

    農薬に使われるプラスチックをなくす、高校の取り組みが文部科学大臣賞を受賞

    画像1: 写真はイメージです

    写真はイメージです

    水田に使われている緩効性肥料(かんこうせいひりょう)のプラスチック殻は、水田から川、海へと流されてマイクロプラスチックになる。そう考えた宮城県農業高等学校は、フクダ物産株式会社多木化学株式会社と共同でプラスチックを使用しない水田肥料を開発した。

    コーティングを使わずに、溶けるのが遅い水田用の肥料を開発することで、プラスチックカプセルを使わずに米をつくることに成功。この栽培方法を「#ZERO マイプラ法」と名付け、情報を発信している。

    この肥料が全国の100万haの水田で使われれば、プラスチックの殻12,000t、ペットボトルに換算すると6億本分のプラスチックを削減できると算出している。

    リサイクル資材で藻場(もば)を創生し、海の生態系を豊かにする活動が、農林水産大臣賞を受賞

    画像2: 写真はイメージです

    写真はイメージです

    世界有数の豊かな海であった瀬戸内海では、沿岸域の海底の海藻や海草が茂り、魚類やプランクトンが多く生息する藻場(もば)の減少が進行。それに伴い、魚などのエサになる生き物が減少し、漁獲高の減少が続いている。

    そこで、神代(こうじろ)漁業協同組合(山口県岩国市)は、宇部工業高等専門学校JFE スチール株式会社による産学連携チームを結成。2013~2018年に、海に海藻や生き物が着生し藻場の土台となる「マリンストーン」を投入し、藻場の拡大に成功した。

    その結果、海藻やゴカイや甲殻類の着生が進み、魚の増加も確認されることに。「マリンストーン」には、鉄鋼製造工程で生まれるリサイクル資材を使用。海藻藻場と海草藻場によるCOD(化学的酸素要求量)の浄化量は14.4t と推定されている。

    つくり出された藻場とその周辺の海は、地域住民や子どもたちの環境啓発および教育の場として、また学生の研究フィールドとしても活用されている。

    住宅のライフサイクル全体でCO2を削減する積水化学工業株式会社の「セキスイハイムの循環型モデル」がフジサンケイグループ賞を受賞 

    画像3: 写真はイメージです

    写真はイメージです

    住宅業界は、家庭部門のCO2 を2030 年に2013 年比で66%削減する目標を掲げている。一方で、建設技能労働者の減少傾向と空家の増加傾向という社会問題を抱えており、住宅での再生可能エネルギーの活用拡大やより効率的な建設方法、住宅の長寿命化と資産価値が求められるなど、難しい課題を突き付けられている。

    積水化学工業株式会社は、太陽光発電搭載住宅を販売開始し、蓄電システムやスマートハイムナビなどを加え、エネルギー自給自足型住宅の開発・普及を進めて来た。現在では、住宅の建設・生産時と、不要・廃棄時の段階でのCO2 排出量を抑制し、住宅の一生を通じて環境負荷を軽減する、「セキスイハイムの循環型モデル」に取り組んでいる。

    2022年には、住宅オーナーから買取った「スマートハイムでんき」の非化石価値や工場内太陽光発電設備などにより、住宅生産工場(10 工場)の全電力の再エネ化を達成。また、同社住宅のオーナーから買取った住宅をリフォームし、「新しい価値」を付加したアップサイクル住宅「Beハイム」の販売を進めている。

    ほかにも、住宅では解決しきれない社会課題に対しては、まちづくりの展開や技術進化での解決を目指して展開しており、フジサンケイグループ賞を受賞した。

    そのほかの受賞者はこちら

    地球環境大賞、文部科学大臣賞、農林水産大臣賞、フジサンケイグループ賞のほかに受賞した企業、自治体、学校はこちら。

    ●経済産業大臣賞/株式会社リコー
    30 年にわたるサステナビリティ活動の集大成、最先端の環境配慮型複合機を発売

    ●環境大臣賞/東レ株式会社
    「水処理膜」技術で世界の水不足に貢献~100 カ国以上の水処理プラントで採用~

    ●国土交通大臣賞/鹿島建設株式会社
    カーボンネガティブコンクリート「C O2-SUICOM®(シーオーツースイコム)」導入拡大によるCO2 削減寄与

    ●総務大臣賞/西日本電信電話株式会社
    森林・林業DX によるカーボンニュートラル社会の実現へ~自然資本の循環型社会の実現~

    ●日本経済団体連合会会長賞/ユニ・チャーム株式会社
    「使用済み紙パンツの水平リサイクル」による消費されない消費財の実現をめざす。

    ●日本商工会議所会頭賞/株式会社エコリング
    個人のリユースでのCO2 排出削減量を伝える「エコパラメーター」機能をアプリに搭載。

    ●奨励賞/株式会社ドコモビジネスソリューションズ
    離島発×全国初、「持続可能な」スマート棚田農法の実証

    ●奨励賞/株式会社不動テトラ
    地盤改良と同時に地中に炭素を貯蔵する「ネガティブエミッション技術」




    This article is a sponsored article by
    ''.