(『バスクの修道女 畑と庭の保存食』より)
いちごとチョコレートのジャムのつくり方
春の訪れを一番に知らせてくれる果物、いちご。採りたての香りが格別です。
とくに早朝に積むと花のようなお甘い香りをいっそう感じられます。
表面のつぶつぶのひとつずつが果実。1個に200個もの果実が詰まっているとても不思議な果物です。
材料(つくりやすい分量/でき上がり約400mL)
● いちご | 500g(約33個) |
● ココアパウダー | 小さじ1 |
● グラニュー糖 | 240g(正味量の50%) |
● レモン果汁 | 1/4個分 |
つくり方
1 いちごは洗い、水気をふく。ヘタを取り、4等分に切る。果肉の重さを量り、その半量の重さのグラニュー糖を用意する。
2 ボウルに1とレモン果汁を入れて混ぜ、6時間置く。
3 果物から出た水分ごとに鍋に入れ、中火にかけて沸騰したらアクを丁寧に取る。とろりとするまで20~25分煮る。
4 ココアパウダーを加えてよくかき混ぜ、熱いうちに煮沸消毒した清潔な瓶に詰める。
ポイント consejo
◎温かい日はボウルにラップを被せて6時間以上水分が出るまで冷蔵庫に置いてください。
◎冷蔵庫で5日間保存可能。さらに長期保存する場合はしっかりと瓶を脱気してください。
いちごとチョコレートのジャムを使って
いちごとチョコレートのジャムのクレープのつくり方
材料(10枚分)
[クレープ生地] | |
・卵 | 2個(室温に戻す) |
・薄力粉 | 125g |
・牛乳 | 2と1/4カップ |
・オレンジの皮のすりおろし | 1個分 |
・グラニュー糖 | 20g |
● オリーブオイル | 適量 |
● いちごとチョコレートのジャム(上記参照) | 適量 |
つくり方
1 クレープ生地をつくる。ボウルに卵を入れてよく溶き、残りの材料を加えて粉気がなくなるまで泡立て器で混ぜる。ラップをして冷蔵庫で1時間以上休ませる。
2 フライパンを中火で熱し、オリーブオイル小さじ1強を引く。1の生地大さじ2を流し入れて薄く広げ、弱めの中火にする。ほんのりときつね色になったら裏返して同じように焼く。残りの生地も同様に焼く。
3 焼いた生地を四つ折りにして皿に盛り、ジャムを添える。
ポイント consejo
◎ガリシア地方とアストゥリアス地方のクレープが名高く、紀元前ケルト民族から伝わったといわれています。
◎1枚目を焼くときはオリーブオイルを多めに引き、ペーパータオルになじませてから焼き始めるとよいです。
本記事は『バスクの修道女 畑と庭の保存食』(グラフィック社)からの抜粋です
丸山久美(まるやま・くみ)
料理家。スペイン家庭料理教室「mi mesa」主宰。アメリカ留学後、ツアーコンダクターとして世界各地をまわり、マドリッドに14年在住。家庭料理をベースとしたスペイン料理を習得しながら修道院をめぐり、修道女たちから料理を学ぶ。著書に『バスクの修道女 日々の献立』(グラフィック社)、『修道院のお菓子』(扶桑社)など。2024年3月に『バスクの修道女 畑と庭の保存食』(グラフィック社)を発売。
インスタグラム:@maruyama_kumi
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一般の人が立ち入ることのできない修道院の中では、できるだけ自給自足の生活を重んじています。畑では四季折々の野菜を育て、庭の木々にはたわわに果物が実り、香り高いハーブも茂っています。たくさん収穫した野菜や果物を料理をし、食べきれないものは保存食にして季節をまたいで大事に食べます。料理家の丸山久美さんが、修道女たちが実際につくっている保存食、ジャム、コンポート、シロップ漬け、オイル漬け、酢漬けなどの加工方法、そしてそれらを使った料理を紹介します。