• 気分がふさぐ、不安になる。その原因は脳にあるかもしれません。無理なく続けられる、手軽なケア方法を医師で脳生理学者の有田秀穂さんに伺いました。今回は、セロトニンを増やす3つの生活習慣について紹介します。
    (『天然生活』2021年1月号掲載)

    セロトニンで心身を元気に

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    最近、気持ちがイライラしたり落ち込んだりすることはありませんか? とくにコロナ禍以降、家事の負担が増え、ストレスを感じている女性が多くなっているというニュースを耳にします。心を安定させ、穏やかに過ごすための方法はないのでしょうか。

    「脳科学的にみると、ストレスと密接に関わっているのがセロトニンという脳内の神経物質です」

    そう話すのは、医師で脳生理学者の有田秀穂さんです。

    「セロトニンには心の安定を保つほか、自律神経のバランスを整える、痛みを調節するなど、心身を元気にする働きがあります。“幸せホルモン”と呼ばれるのはそのためです」

    セロトニンは起きている間、脳内の脳幹にあるセロトニン神経から分泌されます。十分に分泌させるために大切なのは、3つの生活習慣。太陽の光を浴びること、おしゃべりやスキンシップといった「グルーミング」、そしてリズム運動です。

    これが不十分だとセロトニンも不足し、不安になったり落ち込みやすくなったりします。とはいえ、この3つはけっして難しいことではなく、昔であれば普通に生活するなかで自然とできていたことばかりです。

    デジタル社会の定着に加え、コロナ禍でさらに外出や運動の機会が減っているいま、意識して生活スタイルを見直すことが必要になっているのです。

    「薬に頼らなくても、少し意識して日常を送るだけで、セロトニンという心身を元気にする自前の薬が体内でつくられる。こんな大変な時期だからこそ、ぜひ生活習慣を見直して、生き生きと過ごしてほしいですね」

    セロトニンの5つの働き

     大脳の覚醒レベルを最適にする

     心のバランスがよくなる

     自律神経を整える

     痛みを調節する

     筋肉に働きかけ顔つきや姿勢を正す

    セロトニンを増やす3つのこと

     太陽の光を浴びる

     グルーミングをする

     リズム運動をする

    * * *



    <監修/有田秀穂 取材・文/嶌 陽子 イラスト/松尾ミユキ>

    有田秀穂(ありた・ひでほ)
    医師・脳生理学者。東邦大学医学部名誉教授。東京大学医学部卒業。長年にわたりセロトニンについて研究してきたこの分野の第一人者。メンタルヘルスケアをマネジメントする「セロトニンDojo」の代表も務める。著書に『医者が教える疲れない人の脳』(三笠書房)、『「脳の疲れ」がとれる生活術』(PHP研究所)など多数。https://serotonin-dojo.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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