• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、4月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。発酵料理は腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる食べ物として注目されています。物価の上昇が続くいま、お手ごろ価格の「旬」の食材をつかった保存食づくりを始める人も。栄養価が高いだけでなく、たくさん買ってもむだなく使いきれ、節約につながるのも魅力です。今回紹介するのは、「にらのピリ辛漬け」です。

    にらの薬膳的効能ついて

    にらは古くから中国では、根・茎・葉・種のすべてが漢方薬として使われてきました。

    野菜の中では、最も体を温める作用が高いとされ、冷えや足腰の痛みなどに有効です。

    また、血流をよくし、婦人科系疾患やシミやくすみの一因となる瘀血(おけつ:古い血がどろどろと固まった状態)を取り除いたり、高血圧の改善にもおすすめです。

    独特の香りはアリシンという成分で、殺菌・解毒作用があるほか、気のめぐりをよくするため、イライラや気持ちがふさぐのを改善します。

    食物繊維の繊維質が強く、便秘の改善に役立ちますが、一度にたくさん取ると逆に消化不良を起こすので、ほどほどを心がけましょう。

    【保存食】キャベツの即席キムチのつくり方

    画像: 【保存食】キャベツの即席キムチのつくり方

    暑さや寒さに強く、生命力旺盛なにら。

    刈り取ったあとから次々と新芽が出てくるため、季節を問わず手に入りやすい野菜ですが、旬は3〜5月。もっとも香りが強く、やわらかで、おいしいといわれています。

    中国では、旬のにらは解毒作用や栄養価が高くなるため、特別に「春草」と呼ばれているようです。

    料理にすれば、抜群の存在感で、スープや炒めものなどにパンチを与えてくれますが、辛味を効かせた漬物にすると、にらの強烈な個性が和らいで、ほかの食材となじみやすくなるように感じます。

    焼いた豚肉で巻いたり、蒸した魚や豆腐のたれにしたりしてもおいしいですよ。

    材料(つくりやすい分量)

    ● にら100g
    ● A
    ・白炒りごま大さじ1
    ・しょうゆ大さじ1
    ・ごま油大さじ1
    ・みりん小さじ1
    ・にんにく1片
    ・ 一味とうがらし小さじ1/2

    つくり方

     にらは4〜5cm長さに切る。Aのにんにくはすりおろす。

     ボウルにAを入れてよく混ぜ、を加えてさっと混ぜ合わせる。

    画像: 水分が出過ぎてしまうので、にらの繊維をつぶさぬように、さっくりと混ぜる

    水分が出過ぎてしまうので、にらの繊維をつぶさぬように、さっくりと混ぜる

     熱湯消毒した保存容器にを入れ、常温で1時間以上おく。

    ※冷蔵庫で4〜5日保存可能。
    ※一味とうがらしの代わりに韓国とうがらし(小さじ1)を入れても。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。



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