にらの薬膳的効能ついて
にらは古くから中国では、根・茎・葉・種のすべてが漢方薬として使われてきました。
野菜の中では、最も体を温める作用が高いとされ、冷えや足腰の痛みなどに有効です。
また、血流をよくし、婦人科系疾患やシミやくすみの一因となる瘀血(おけつ:古い血がどろどろと固まった状態)を取り除いたり、高血圧の改善にもおすすめです。
独特の香りはアリシンという成分で、殺菌・解毒作用があるほか、気のめぐりをよくするため、イライラや気持ちがふさぐのを改善します。
食物繊維の繊維質が強く、便秘の改善に役立ちますが、一度にたくさん取ると逆に消化不良を起こすので、ほどほどを心がけましょう。
【保存食】キャベツの即席キムチのつくり方
暑さや寒さに強く、生命力旺盛なにら。
刈り取ったあとから次々と新芽が出てくるため、季節を問わず手に入りやすい野菜ですが、旬は3〜5月。もっとも香りが強く、やわらかで、おいしいといわれています。
中国では、旬のにらは解毒作用や栄養価が高くなるため、特別に「春草」と呼ばれているようです。
料理にすれば、抜群の存在感で、スープや炒めものなどにパンチを与えてくれますが、辛味を効かせた漬物にすると、にらの強烈な個性が和らいで、ほかの食材となじみやすくなるように感じます。
焼いた豚肉で巻いたり、蒸した魚や豆腐のたれにしたりしてもおいしいですよ。
材料(つくりやすい分量)
● にら | 100g |
● A | |
・白炒りごま | 大さじ1 |
・しょうゆ | 大さじ1 |
・ごま油 | 大さじ1 |
・みりん | 小さじ1 |
・にんにく | 1片 |
・ 一味とうがらし | 小さじ1/2 |
つくり方
1 にらは4〜5cm長さに切る。Aのにんにくはすりおろす。
2 ボウルにAを入れてよく混ぜ、1を加えてさっと混ぜ合わせる。
3 熱湯消毒した保存容器に2を入れ、常温で1時間以上おく。
※冷蔵庫で4〜5日保存可能。
※一味とうがらしの代わりに韓国とうがらし(小さじ1)を入れても。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」