• 野山の実りが日ごとに旺盛になる季節。出合いものの旬の恵みはひと手間かけて、飽きず余さずいただきます。料理研究家・横山タカ子さんに教わる、信州の短い夏を味わう、食の知恵。「梅漬け3種」と「ミニトマトのさしす漬け」のつくり方を紹介します。

    横山タカ子さんの手づくりの楽しみ
    「梅漬け3種」のつくり方

    画像: 横山タカ子さんの手づくりの楽しみ 「梅漬け3種」のつくり方

    完熟の梅が出回るころ、まとめて下処理し冷凍しておけば、いつでも気軽に梅漬けがつくれます。

    「一度にたくさんではなく、少量をちょこちょこ何度も漬けるのがおすすめです」

    下処理

    梅は水でやさしく洗い、竹串でなり口を取る。傷んでいる部分があればナイフで取り除く。清潔なふきんで水けをふいたら、冷凍庫に入れて冷凍する。

    梅の甘味漬け

    画像: 梅の甘味漬け

    材料とつくり方(つくりやすい分量)

     下処理した完熟梅1kgは凍ったまま清潔なガラス容器に入れ、砂糖300g(梅の分量の30%)を上からまぶし入れる。容器にふたをして、日の当たらない涼しい場所に置く。

     2日ほどして水が上がったら冷蔵庫に入れる。2週間ほどで食べ頃になる。

    梅のブランデー漬け

    画像: 梅のブランデー漬け

    材料とつくり方(つくりやすい分量)

    下処理した完熟梅(凍ったまま)300gとブランデー600mLを清潔なガラス容器に入れる。 容器にふたをして、日の当たらない涼しい場所に置く。1週間ほどで飲み頃に。

    梅の味噌漬け

    材料とつくり方(つくりやすい分量)

     ボウルに砂糖300g(梅の分量の60%)と味噌500gを入れ、よく混ぜ合わせる。清潔なガラス容器の底に少し塗り、下処理した完熟梅500gを凍ったまま並べ、その上に味噌をのせる。そのうえに梅を並べ、味噌をのせるを繰り返す。

     容器にふたをして、日の当たらない涼しい場所に置く。1カ月後に漬け上がる。漬物としていただくほか、味噌とともに、きゅうりなどとあえても。

    横山タカ子さんの手づくりの楽しみ
    「ミニトマトのさしす漬け」のつくり方

    画像: 横山タカ子さんの手づくりの楽しみ 「ミニトマトのさしす漬け」のつくり方

    夏の間中楽しむ、横山家定番の副菜。

    「和洋中どんな料理にも寄り添ってくれるから、切らさず冷蔵庫につくりおきます。大きなトマトの乱切りでもおいしいですよ」

    材料とつくり方(つくりやすい分量)

    ミニトマト400gは湯むきして、さしす(※)大さじ2をかける。2時間ほどで味がなじむ。または、サラダとして、すぐに食べてもよい。

    ※さしすとは、完熟梅を、砂糖、塩、酢で2週間以上漬けた汁。なければ、砂糖小さじ2、塩小さじ1/2、酢大さじ2(つくりやすい分量)を合わせた甘酢を、大さじ2かけてもよい。



    〈撮影/山浦剛典 取材・文/玉木美企子〉

    横山タカ子(よこやま・たかこ)
    長野市在住。長野の食文化を研究し、「適塩」でつくる保存食や素材を生かしたシンプルな料理に定評がある。『私の梅仕事』『四季を味わう 私の「木の実」料理』(ともに扶桑社)ほか、著書多数。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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