• 暮らしにあふれる、こまごまとしたもの。適正なしまい場所を与えられたら「しまう」も「取り出す」もスムーズです。今回は、グラフィックデザイナーの天野美保子さんに、小さなものをしまうアイデアを教わりました。
    (『天然生活』2023年7月号掲載)

    自分仕様のアレンジで箱を「使える」収納に

    ワインの木箱を使った収納アイデアは数あれど、ここまで効果的に使っている家はそうはないはず。そう思わせてくれる、天野美保子さん宅の収納です。

    「元は倉庫だった建物をリフォームしているので、つくり付けの棚などは皆無。だからといって、既成の棚を買うのではなく、できる限り手持ちのもので収納を増やすように工夫しました」

    そこで大活躍したのが、なじみの酒屋さんに譲ってもらったワインの木箱。棚板と組み合わせ、すべりやすいテープを貼って引き出しにしたり、キャスターを付けてワゴンボックスにしたり、少しの手間で、便利な収納へとアップサイクルしてきました。

    そのほか、足りないところは手づくり。内装設計をしている夫は、とても器用で、空間認識能力も抜群。「ここにこんな収納があると便利だな」と思い相談すると、ジャストフィットの棚や箱をつくってくれるといううらやましい環境なのです。

    しまうもののサイズに合わせて、収納をつくれるのがDIYのよさ

    ものとしまうスペースがぴったりなので、ものの行方不明も起こりにくいようです。

    本当は片づけが苦手という天野さんですが、夫作のスマート収納のおかげで、出したら定位置に戻すクセがついたのだといいます。

    ガーデングッズ
    個性の違うツールは色でつなげる

    画像: ガーデングッズ 個性の違うツールは色でつなげる

    玄関脇には庭で使うツールを収納。チェストは夫婦で合作。ベンチのような土台に扉を付けた構造は夫、塗装は天野さん担当。

    中にしまう木箱や隣の棚も同系色の淡いグリーンでペイントしているので、空間にまとまり感がある。

    カトラリー
    深い引き出しも木箱を重ねむだなく収納

    画像: カトラリー 深い引き出しも木箱を重ねむだなく収納

    引き出しの幅に合うようにいくつもの木箱を夫が手づくり。細かく仕切りをつけ、カトラリーの種類ごとに分類して収めている。

    棚の上に取り出した白っぽい木箱は、そう麺の入っていたものをリメイク。箱は2段に重ねて入れ、引き出しにデッドスペースなし。

    台所道具
    簡単DIYで使いやすい引き出しが完成

    画像: 台所道具 簡単DIYで使いやすい引き出しが完成

    キッチンの引き出し収納はワインの木箱をカスタマイズ。

    上2段の棚板に載せた箱には取っ手を付け、底には敷居すべりテープを貼っているので、引き出すのもスムーズ。下段の木箱は2個重ねたキャスター付き。

    上の木箱は底を抜いて深型仕様にし、背の高いものも収納できるように。

    新聞紙
    箱にひと工夫で使いやすさは劇的アップ

    画像: 新聞紙 箱にひと工夫で使いやすさは劇的アップ

    小さめのワインの木箱は、新聞にちょうどいいサイズ。重ねて収納力アップ。ぴったりスタッキングできるよう、底に板で出っ張りをつけている。

    手前のつぼには、古紙を折ってつくったごみ袋が入っている。食事中に出る魚の骨や貝の殻などのごみを入れてそのまま捨てるそう。

    ストック品
    用途以外の棚もサイズが合えば活用

    画像1: ストック品 用途以外の棚もサイズが合えば活用

    屋上に続く階段の壁面にある20cmほどのデッドスペースも収納場所として活用。

    奥行きの浅い収納ツールを探してたどり着いたのは、「イケア」のシューズボックス。ラップや保存袋など日用のストックを収納している。

    上から開くフラップ式の扉でものの出し入れもとてもスムーズ。



    <撮影/山川修一 取材・文/鈴木麻子>

    画像2: ストック品 用途以外の棚もサイズが合えば活用

    天野美保子(あまの・みほこ)
    手芸や料理のブックデザインを主に手がける。自宅の屋上ガーデンではハーブやたくさんの花を育てる。また、長野にも拠点をもち、自然を生かした夢のガーデンづくりに勤しんでいる。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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