ひもを通すだけで機能的な便利シャツに
シャツが好きですが、私は背が低いので、なかなかバランスよく着られる、好みの着丈のものとの出合いがありません。
仕方なく、シャツ好きな気持ちはシャツワンピを着てごまかしてきていたのですが、昨年、理想的なシャツに出合いました。
それは、裾にひもが通っている、薄手コットンの黒のバンドカラーシャツ。
これまでも、裾にひもが通ったドロスト仕様のシャツがなかったわけではないのですが、そのシャツは、しっかり着丈があるので、絞ってシルエットを変えるだけではなく、絞った部分を内側に折り込み、着丈を調整することもできました。
その機能がとても便利なんです。
ということで、その便利な仕様を、ベーシックなシャツにプラスしていきたいと思います。
ひもを通すベーシックなシャツの選び方と材料＆道具
ひもを通すのに適したシャツを選ぶポイントは、4つです。
・裾が真っ直ぐの仕様
・裾の折り返し幅が2cm以上あるもの
・やわらかめの生地
・シャツカラーもしくはバンドカラー
裾が真っ直ぐで、折り返しにある程度幅があるタイプには、オープンカラーのものや開襟シャツに多くありますが、オープンカラーのタイプは、この仕様とあまり相性がよくありません。
残念なことに素敵にならないので、避けるのが賢明です。
また、張りのある生地だと、裾に通したひもを絞ったときにボリュームが出過ぎてしまうので、やわらかめの生地のものを。
今回は、このメンズのMサイズのシャツにひもを通していきます。
少し幅広の、平らなひも（平ひも）を通します。
材料
シャツ（今回は、メンズMサイズ）…1枚
平ひも（太さ1cm）…シャツの裾1周の長さ＋30cm
折り返して縫われている裾の部分に平ひもを通していきますが、このシャツ、前端や脇も縫い止められていないので、穴を開けずにそのまま平ひもを通すことができてしまいます。
ということで、使う道具は、ひも通しのみです。
道具
ゴムひも通し
さあ、つくってみましょう！
下準備 平ひもをシャツに合わせて、通す長さにカットします。通す平ひもの長さは、ぐるっとシャツの裾一周＋約30cm。
気になるようなら、ひもの端にほつれ止め液を塗っておくと、ほつれてくる心配がなく安心です。
１ 平ひもをゴムひも通しにセットし、シャツの前端の部分から通していきます。
２ サイドのスリット部分も、そのまま続けて通していきます。
完成です！ ぐるっとひもが通りました。
リメイクシャツのコーディネート例
平ひもを通したシャツの裾を絞り、ブラウジングすると、ふんわりシルエットに。
ニュアンスのあるショート丈のシャツになりました。
パンツ 参考商品／ソソット
サンダル 19,800円／ノヴェスタ（ノヴェスタジャパン）
そのほか、スタイリスト私物
ひもの絞り具合で着丈を調整できるので、合わせるボトムスや体型に合わせ、ベストな着丈をつくることができます。
前のボタンをしっかり留めて着ても、裾のふんわりがさがやわらかい印象をプラスし、リラックス感あるスタイルに。
あきらめなくても大丈夫
裾の前端や脇が縫い止められていて、ひもを通せない場合は……
リメイクしたいシャツの裾の前や脇が縫い止められていて、ひもをそのまま通せないときは、下のようにはさみでひもを通す穴をあければ、同じように簡単につくることができます。
ぜひ、あきらめずにチャレンジしてみてください。
１ 写真のように、前立ての布の重なりが終わったあたりの裾の裏側に、先の尖った手芸用はさみで切り込みを入れ、穴を開けます。
２ そこから平ひもを通していきます。
３ スリット部分（脇）も縫い止められているようであれば、１と同様に布の重なりを避けて切り込みを入れ、平ひもを通す穴をあけます。
４ 平ひもを通すと、こうなります。
完成です！ ぐるっと通りました。
次回は、パンツの裾にひもを通していきます。
【問い合わせ先】
◆ソソット
https://www.mikegray.jp/c/sosotto
◆ノヴェスタ ジャパン
https://novesta.jp/
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「おしゃれのABC」とは……
ちょっとしたコツで、ぐっとおしゃれに。
スタイリスト・植村美智子が、約25年の仕事を通して培ったコーディネートの経験とファッションの知識を生かし、季節ごとに陥りがちな、おしゃれの悩みを解決します。
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＜スタイリング／植村美智子 撮影／山川修一＞
植村 美智子（うえむら・みちこ）
大阪府吹田市出身。文化服装学院卒業。アシスタント経験後、スタイリストとして独立。雑誌、広告、タレントのスタイリングなどで幅広く活躍。2010年、ファッションコーディネートサービス「Liltin'（リルティン）」を立ち上げ、個人向けのコーディネートを開始する。ひとりひとりとじっくり向き合うことを大切にし、ファッションを楽しんでもらえることを目指したパーソナルスタイリングが人気を呼ぶ。著書に『洋服の選び方』（マイナビ出版）、電子書籍『「今の自分」に似合う服』（扶桑社）などがある。
Liltin' ファッションコーディネートサービス
https://liltin.com/
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