(『天然生活』2024年2月号掲載)
エッセイスト・石黒智子さんの新年の目標
50代まで介護などで忙しい日々を送っていたという、エッセイストの石黒智子さん。すっかり荒れてしまった庭を、10年以上かけてコツコツと整え続けてきたのだそう。その庭づくりもやっと一段。
これまで庭仕事に追われてゆっくり取れなかった朝食や、いろいろなことにじっくり取り組みたいと目を輝かせる石黒さんに、新年の目標を伺いました。
新年から始める小さな目標
01 早朝の森林浴とゆっくり朝食を
これまでは朝食を急いで食べて庭仕事に勤しんでいましたが、庭づくりも一段落したので、庭に出たあと、朝ごはんをのんびり食べることに。「おいしい食材を使って準備もていねいにしたいです」
02 節句や記念日を大切に
前より時間に余裕ができる新年は、節分や桃の節句など、季節ごとの行事をていねいにお祝いするのが目標。「お月見のお団子をつくったりもしたい。家族の誕生日もきちんとお祝いしたいですね」
03 手づくりを楽しむ
「洋菓子と違ってひとり分からつくれるのがいいの」とハマりはじめた和菓子づくりを、新年はもっと深める予定。「テーブルクロスなどをマスクケースやブックカバーにリメイクするのも楽しみです」
小さな目標をかなえる5つの暮らしのアイデア
アイデアその1
ひとり分の朝食でもテーブルセッティングを
クロスを敷き、花やナプキンスタンドを置いて。たとえひとり分でも食卓を楽しく演出すると、朝食の時間が豊かになります。
「クロスはネットで見つけて1,000円以内で買った1.1×1mの裁ちっぱなしのもの。縁を10cmほど中に折り込んでいます。食卓の半分しか覆いませんが、ひとりならこれで十分。軽くて洗濯もしやすいです」
アイデアその2
行事のカードを冷蔵庫に貼って
季節ごとの行事をきちんとお祝いしたいけれど、忙しく過ごしていると、つい忘れてしまいがち。そうならないように、石黒さんは1カ月前から冷蔵庫の側面にカードを貼ることに。
「そうすれば毎日目に入るので、当日の献立決めなど、余裕をもって準備できます」。かわいらしいカードは目にも楽しく、気分を盛り上げてくれます。
アイデアその3
テーブルクロスでリメイクを楽しむ
「裁縫は苦手」と話す石黒さん。けれどもお気に入りの布を使った簡単なリメイクのアイデアを思いつくのは得意です。
「食卓にかけるクロスにシミがついたらその部分を切り取って、残りをブックカバーやマスクケースにするのもいい。
もともと裁ちっぱなしの布なのでリメイクしやすいし、直線縫いなので簡単につくれます」
アイデアその4
和菓子の材料をまとめて冷蔵庫に
「運転免許を返上してバス生活を始めてから、デパ地下にまめに通うように。そこで上質な和菓子の材料が手軽に買えるんです」
手に入れた材料はまとめて冷蔵庫に保管することに。
「常温でも保存できますが、冷蔵庫を開けて目に入ると、つくろうという気分が高まるので」
お団子や大福、羽二重餅などが、手軽につくれます。
アイデアその5
お針箱を新調して気持ちを新たにする
新しい仕事に取り組むときなど、石黒さんは人生の節目に必ず新しいお針箱をつくってきました。
新年から密かに取り組みたいと考えていることがあるため、久しぶりに新調することに。
「お店やネットで道具を探す作業を通じていまの時代の様子もわかるし、何を選ぶかによって自分のいまの好みや関心事を確認することもできます」
〈撮影/杉能信介 取材・文/嶌 陽子〉
石黒智子(いしぐろ・ともこ)
雑誌や書籍を通じて収納、家事のアイデア、暮らしの工夫、道具の選び方などを独自の視点で発信。「亀の子スポンジ」など、台所用品の商品開発や、商品評価の仕事でも活躍している。『70歳からの軽やかな暮らし』(PHP研究所)など著書多数。サイト「石黒智子のLife Style」では毎日一文をアップしつづけている。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです