(『天然生活』2024年2月号掲載)
主婦・仁平里帆さんの新年の目標
古家具店を営む夫の透さんと、もうすぐ2歳になる息子の天音(あまね)くんとともに、益子町内の里山に暮らしている、主婦の仁平里帆さん。
古い家具や道具、自然に囲まれた暮らしは、あれこれ手を動かさなければまわっていかないけれど、この暮らしがとても落ち着くといいます。
そんな仁平さんに、新しい年に取り入れたい小さな目標と暮らしのアイデアを伺いました。
新年から始める小さな目標
01 月のめぐりや旧暦を意識して暮らしたい
風が冷たい。動物たちの動きがせわしない。そんなときに旧暦や月の満ち欠けを確認すると、腑に落ちることが多いそう。「自然に近い暮らしを営むために、より細やかに意識していきたいですね」
02 心地よく体を動かす
もともと、体をまめに動かすのは苦ではありませんが、今年はそこに“心地よく”のひと言を添えました。「同じ行動でも、気持ちがそこにあるかないかで、暮らしが大きく変わる気がしています」
03 体のお手当てをする時間をつくる
幼い子との暮らしは、つい自分の体調を後回しにしがちです。家族が健やかに過ごすためには、自分をいたわることも大切。「じっくり体に向き合う時間を見つけるのも、新年から意識したいことです」
小さな目標をかなえる5つの暮らしのアイデア
アイデアその1
旧暦を取り入れた暮らしを大切に
旧暦をひもとくと、日本の季節に寄り添ったさまざまな行事があることに気づきます。
「たとえば、1月15日の小正月には、小さなお餅を丸めて枝にあしらい、お花に見立てた花餅を飾ります。
手を動かしながら、自然に近い感覚を取り戻すことができる旧暦の行事は、この先、息子と一緒に楽しみながら、取り入れていきたい習慣です」
アイデアその2
日々の家事にきちんと向き合う
「掃除も料理も、禅における修行に数えられていますよね。
日々繰り返す家事こそ、実は一番ないがしろにしてはいけないことでは?と思い至ったんです」
料理は食材をむだなく使い、掃除はただただ無心に。
「掃除はほうきと雑巾掛けが基本です。ほうきのサッサッという音も心地よく、水ぶきしたあとの清々しさもいいんです」
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アイデアその3
一点に集中できる、裁縫の時間をつくる
少し自分の時間をもてるようになり、挑戦しているのが人形づくり。天音くんの2歳の誕生日に向けて、ひと針ずつ進めています。
「母の手から生まれたものと、息子が一緒に過ごす時間をもてたら素敵だな、と思ってつくり始めました。
最初は息子のためでしたが、針を持つ時間そのものが、私にとって心いやされる時間です」
アイデアその4
小さな畑づくりを再開する
この家で暮らし始めたころから、手がけ始めた畑づくり。妊娠、出産の時期は休んでいたけれど、ようやく少しずつ再開の兆しです。
「息子も一緒にゆるやかに、まずは遊びの延長で取りかかれたら」
烏骨鶏や山羊、うさぎなど、仁平家には動物もいっぱい。土や生き物に触れながら、家族の暮らしはより豊かになっていきます。
アイデアその5
家にあるもので体のお手当てを気軽に
ついおざなりになるのが、自分の体調管理。
「少し冷えたな」「いつもより疲れやすいな」など、小さくても違和感をもった時点で自然の力を借りた手当てをし、病を防ぎます。
「すぐ薬に頼るのではなく、まずは家にあるもので体調を整えられたら安心ですよね」。
冷えや滞りは万病のもと。しょうがやこんにゃくでやさしくお手当て。
〈撮影/林 紘輝 取材・文/福山雅美〉
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
仁平里帆(にへい・りほ)
夫の透氏、息子の天音くんと栃木県益子町の自然あふれる里山に暮らす。再生させた古家の台所から見える景色を、二十四節気七十二候に寄り添った文章とともに綴るインスタグラム(@_______aun)も好評。料理上手としても知られ、時折アップされるおいしそうなお菓子やごはんの写真を心待ちにするファンも多い。