• すがすがしい朝時間に心を整えて、元気に一日をスタート。暮らし上手なあの人の、朝の過ごし方を拝見します。今回は、林陽寺副住職・岩水ゆきゑさんの「朝時間」。子どものころからの遊び場であるお寺の裏山を歩き、呼吸して、エネルギーを満たします。
    (『天然生活』2023年5月号掲載)

    裏山で自然を感じながら、ゆっくりと深呼吸

    緑豊かな小高い山に寄り添うように佇む、林陽寺。

    「3月下旬には、樹齢200年のしだれ桜が咲いてきれいですよ」と、岩水ゆきゑさん。

    林陽寺で生まれ育ち、裏山は子どものころからの遊び場でした。

    いまも朝のお勤めを済ませると、しばし裏山を歩いて、深呼吸。

    「朝の光が差し込むと、歩きたくなるんです。鳥のさえずりや木漏れ日を感じながらその場にいるだけで気持ちがよくて、心が整います」

    画像: 裏山の氏神様に、朝のごあいさつ。深くゆっくりと呼吸し、自然を感じることで、心が安らぐ

    裏山の氏神様に、朝のごあいさつ。深くゆっくりと呼吸し、自然を感じることで、心が安らぐ

    岩水さんは静岡県の専門僧堂で修行し、2021年、林陽寺の副住職となりました。

    三人姉妹の末っ子でお寺を継ぐとは思いもよらず、進学や就職で長らく実家を離れていましたが、30代で地元に戻り、お寺でヨガ教室を行うなか、徐々に気持ちが変わっていったそうです。

    「お寺は敷居が高いとよくいわれますが、気軽に門をくぐってもらえるように教室を始めました。本堂でヨガをしていると、私の力はちっぽけで、場の力に生かされていると感じます。ほかでもない、人々が自然に祈りを捧げるお寺でやることに意味がある。その気づきがお寺を守っていきたい思いにもつながりました」

    いまはお寺から少し離れた場所に暮らし、朝のお勤めに行きます。

    「祈りは、日々の暮らしのなかにある。だから、日常を大事に送りたいと思っています」



    〈撮影/千葉亜津子 取材・文/宮下亜紀〉

    岩水ゆきゑ(いわみず・ゆきえ)
    岐阜市にある曹洞宗の寺院、林陽寺副住職。NYハタラジャヨガ指導養成コース200時間を修了し、ヨガ教室「凪の木」を主宰。メキシコへ留学し、スペイン語の通訳としても活動。修行中は典座寮の菜頭を担当し、精進料理教室も行う。お寺ではマルシェや音楽会、坐禅や写経のワンコイン修行(参加費500円)も。インスタグラム@housetsu_yukie

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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