(『天然生活』2022年10月号掲載)
服部麻子さんの「台所のエコな工夫」7つ
暮らしにまつわる食を発信しながら、夫の雄一郎さんと環境に配慮した多様な取り組みをする服部麻子さん。高知県の山のふもとに建てた新居は、いわゆる、普通の家とは違います。
「プラスチックや化学物質を極力使わず、環境負荷をなるべく抑えながら快適に暮らせる設計にしました。自分たちがいまできうるエコな選択を模索して詰め込みました」
服部さんに楽しみながら続けられる「台所のエコな工夫」を7つ聞きました。
服部さんの台所のエコな工夫01
電子レンジやトースターを置かない
服部家ではずいぶん前に調理家電を卒業。炊飯は土鍋や「シャトルシェフ」、トーストは焼き網か鉄のフライパン、料理の温めは蒸し器を使います。
「シャトルシェフ」のカバーはプラスチック製ですが、知人から譲り受けたものだそう。
「ステンレス製もあるのですが、いただきものを生かすギフトエコノミーも大事ですから」
服部さんの台所のエコな工夫02
温度変化の少ないパントリー
自家製やいただきものの食材が豊富にあり、食品貯蔵は大きな課題だったと麻子さん。天然の調湿作用を持つスギ材を使って、温度変化が少なく通気性のいいパントリーを家の北側に設置しました。
「高知は湿気が多く、前の家ではせいろがカビたこともありましたが、ここなら大丈夫。たくさんの食品も質を保って貯蔵できます」
服部さんの台所のエコな工夫03
冷蔵庫は節電効果の高い大型を
冷蔵庫は容量の小さい方が省エネと思いがちですが、実際はその逆。試行錯誤の末、2年前に大きな冷蔵庫に買い替えました。
「以前は小さな冷蔵庫に食材を詰め込んで、かえって電力を消費していたと知って愕然。トータルの環境負荷を考えると、買い替えが最善とはいい切れませんが、毎月の電気代は確実に減りました」
〈撮影/飯貝拓司 取材・文/熊坂麻美〉
服部麻子(はっとり・あさこ)
神奈川県生まれ。カリフォルニア・バークレー、南インド、京都を経て、2014年に高知に移住。初めての家づくりの奮闘を記録した夫婦共著の『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)が発売中。ブログ「食手帖 高知の山のふもとより」
インスタグラム:@asterope_tea