• 行き場のない猫たちを、新しい家族が見つかるまでの間自宅でお世話をする「猫の預かりボランティア」。小禄広海さんは、鎌倉と逗子の境にあるちいさな港町でお菓子づくりをする傍ら、保護猫活動の一環として「猫の預かりボランティア」を行っています。広海さんがお世話をする“預かりっ子”たちとの日常をつづった「ねこおば日記」。今回は、老猫シナの介護奮闘記をお話しします。

    猫風邪から始まった介護の日々

    お久しぶりです。みなさまお元気ですか。

    昨年末に我が家では猫風邪が流行り、うちの老猫がふたりとも体調を崩しました。

    まず、茶トラのシナが11月下旬にご飯を食べなくなり、みるみる弱っていきました。

    画像: シナは皆にモテるんです

    シナは皆にモテるんです

    彼はもともと甲状腺機能亢進症と診断されており、症状としてはとにかく食べるのに太らないという、なんとも羨ましいものなのですが、その彼が食べなくなったので、もしかしたらもうダメかも......と思いました。

    そのあと何とか回復し、安心したものの既に老体ではあり、いままで以上に老いが進み、本格的に介護生活突入となりました。

    画像: シナ。シニア用のミルクをあげてみた

    シナ。シニア用のミルクをあげてみた

    介護というと、やはりトイレ問題

    彼はトイレの前で、用を足すようになりました。トイレの縁が高いのと狭いのもあるかなと、コストコで大きくて縁が5センチも無いような段ボールをもらい、試しにトイレを作ってみたりしたものの(いけるなら似たサイズを買おうと思って)、やはりトイレの前でしてしまいます。

    観察してみると、砂の上で踏ん張る力がなく、ずるずる滑って安定が悪いのが嫌なもよう。

    そうかそうか、もう好きにしていいよ、と、トイレの前にペットシートを敷くことに。

    しばらくはよかったのですが、今度はトイレに間に合わないのか、歩くのが遠くて面倒なのか、今年に入ってペットシートの手前でもするようになりました。

    トイレ問題からオムツ生活へ

    トイレに行こうとするだけでも偉いし、拭けばいいかと思っていたのですが、ある日、目の前で彼が床でしたオシッコを片付けようとしていたら、うら若きアニマル柄女子のオリが『わーいわーい!』と小走りで駆け寄ってきて、次の瞬間、まるで慣れた様子で飲み始めてしまいました......絶句。

    画像: ラブラブなシナとオリ

    ラブラブなシナとオリ

    そういえばうちに来たばかりの頃にも、トイレに水溜まりのようにあったオシッコを飲んでいた彼女。

    ちなみにオリはシナが大好き。いつも一緒に寝て、かいがいしくグルーミングしてあげます。趣味は老廃物が出まくるシナ爺ちゃんの目ヤニを毎回拭くこと。

    美味しいのかな。とはいえ、私はなるべく彼女に食べて欲しくないので、気づいたら先にもちろんティッシュで拭くのですが、女ふたりでまるで目ヤニの争奪戦です。

    画像: オリヒコはシナが大好き。ヒコ(左端)は友人が家族に迎えてくれました

    オリヒコはシナが大好き。ヒコ(左端)は友人が家族に迎えてくれました

    オムツ導入の決断、人間用オムツが救世主に

    話は戻って、オリがオシッコを飲んでいる所を見てしまい、結局そのあとはオムツが基本になりました。

    オムツをしていてもシナはトイレには行くので、気づいた時はオムツを外して身体を支え褒め称えつつ、トイレでしてもらっていました。

    オムツも最初は猫用を使っていましたが、人間用もイケると聞いてそちらに切り替えました。

    人間用のほうが断然安いのです。

    逗子市民の強い味方、OKスーパーへ行き、初めて人間用オムツと対峙して売り場で立ち尽くす私。

    未知の世界すぎて、友人ママたちにアドバイスをもらい、なんとか買うことができました。

    画像: オムツかわいい

    オムツかわいい

    そして人間用を犬猫用に変換するには尾っぽの位置にハサミで切り込みを入れればいいだけ

    ペット用は背中側でテープを止められるのが楽なのですが、人間用はお腹側なのが面倒なくらい。

    人間用なら猫は新生児用かSサイズが合う子が多いと思います。

    シナは3キロくらいと痩せていたので新生児用で充分でした。

    あと、メーカーによっては背中側にギャザーあるものも。(ギャザーがあるほうがフィット感が断然よいのです。)

    こうしてシナの本格的なオムツ生活がスタートしていきました。

    画像: 老体に乗るふたり

    老体に乗るふたり

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    画像: オムツ導入の決断、人間用オムツが救世主に

    小禄広海(おろく・ひろみ)
    幼少の頃からお菓子作りが好きで、Bakeromi(ベカロミ)という名前で活動中。現在は鎌倉、材木座にあるカフェに毎日お菓子を納める傍ら、猫の預かりボランティアを中心に保護活動もする、バタバタな毎日。来世はやはり家猫になりたい。
    インスタグラム@catladyorock@bakeromi



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