同じ敷地内に住む4世帯

Sさん夫妻(本家) 70代
青森生まれの夫・Sさんと福島生まれの妻・Tさんは、結婚後、夫・Sさんの仕事の都合で東京、埼玉、神奈川と引っ越し、次女が生まれた後に現在のマンションを購入。趣味は、ふたり揃ってテニス、麻雀、読書、猫
長女 Mさん 40代
2007年から同マンション内の賃貸物件に住んでおり、2010年に現在の物件を購入。夫婦ともにDIYが大好き。頻繁に模様替えをしていて、昨年はキッチンをリニューアルするなど、現在もリノベが進行中
次女 Kさん 40代
以前は世田谷区の賃貸マンションに住んでいたが、三女の夫が同マンション内に売り物件が出たことを教えてくれて、2021年に購入。猫を飼う前提でリノベーションを行い、現在は念願だった猫との暮らしを満喫している
三女 Yさん 30代
2018年から同マンション内の賃貸物件で暮らしていたが、「猫が住みやすい家にリフォームしたい」との思いから、2019年にリノベ前提で分譲物件を購入。その後、長男が誕生し、現在は3人+猫2匹で暮らす
ほどよい距離感と安心感
お裾分けなど近居はいいことだらけ
普段から週1回くらいは顔を合わせているという三姉妹ですが、「いつにしようと決めるのではなく、『お土産を持って本家に行くよ』と誰かが言うと、『じゃあ、私も行く』という感じなんです。
『マフィンをつくったから本家に取りに来て』とか、母が『チキンカツをつくったから取りにおいで』とか」と次女のKさん。

オープン棚や大きなカウンターが印象的な次女宅のキッチンで、にぎやかにお茶の用意をする三姉妹。この日のおやつは、母がつくって持ってきてくれた「さつまいもとりんごの重ね煮」
「そういう連絡が入ったら、仕事帰りに本家に寄ってから家に帰ります。おかずのお裾分けは、本当にありがたいです。旅行に行くときに猫のお世話をお願いできるのも助かります」と長女のMさん。
本家には各家族の鍵を預けてあるそうです。「子どもは週に何度も本家で預かってもらっています。出産直後はみんながうちに来てくれて、助かりました」と、子育て中の三女・Yさんは特に心強いようです。

母のTさんは、父親が転勤族だったため、小学校で3回、中学校で2回、高校で2回、転校を経験。そのせいか、このマンションに住んでからは一度も引っ越しを考えなかったとか。
だからこそ、三姉妹も安心して、いつでも帰ってくることができたのかもしれません。
今でも誕生日会やクリスマス会などのイベントは、必ず本家で開催。


それぞれの夫も、来られるときには参加します。
コロナ禍のときは、本家でつくった料理を各家に持ち帰り、同時に食べてリモートでお祝いしたそう。
「近居はまったく意図していなかったけれど、すごく安心」と母のTさん。
これからも、にぎやかで楽しい生活が続いていきそうです。
※ 本記事は『relife+ vol.53』(扶桑社)からの抜粋です。
<撮影/山田耕司 取材・文/松浦美紀 取材協力/エントリエ>
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