(別冊天然生活『天然ねこ生活』より)
老猫のケア
猫も老いてくると人間のようにいままでできていたことができなくなってきます。
こまめなケアで変化を見逃さないようにしましょう。
病気にかからずとも、猫も歳をとるとともに、いままでのように元気に走り回ったり、ごはんをたくさん食べたり、自分で毛づくろいができなくなったりします。
「猫は、飼い主の気持ちがちゃんとわかる繊細な動物なので、自分が年寄り扱いされていることも伝わってしまいます。まだ自分で動けるうちは、ふだんと変わらない態度で接してあげてください。介護を始めるのは、自力で動けなくなってからが目安です。ただ、病気になるリスクが若い猫よりは増えるので、しっかりと日々のケアをし、体の変化に気づいてあげることが大切になってきます」
基本のケアとともに重要なのが、精神的なケアです。自分でできないことが増えると、ふさぎがちになってしまう猫も多いそう。
「精神的なケアといっても特別なことをするのではなくて、積極的に声をかけてあげるだけでいいんです。大切な存在だということを愛情を込めて伝えてあげるとともに、『ごはんだよ』『行ってくるね』などと、日常的に猫と会話を楽しみましょう」
聴力の低下
鳴き声は大きくなる猫も

耳が悪くなってくるので、飼い主が帰ってきたことに気づかないことがあります。
意識的に大きな声で話しかけましょう。
おしゃれでなくなる
ボサボサになる前にブラッシング

自分で毛づくろいができなくなり、毛玉ができやすくなります。
皮膚も弱ってきているのでやさしくブラッシングしてあげましょう。
歯周病予防
症状が見られたら早めに病院へ相談

歯周病は命を落とすこともある危険な病気です。
毎日の歯のケアはもちろん、口臭、歯ぐきの腫れなどがないかチェックしましょう。
精神的なケア
コミュニケーションは積極的に

できないことが増えると不安になるので、まめに話しかけてあげましょう。
老猫扱いしすぎると、元気がなくなってしまうことも。
※本記事は、別冊天然生活『天然ねこ生活』からの抜粋です
<撮影/村林千賀子 イラスト/樋口たつ乃 取材・文/高田真莉絵>
須﨑恭彦(すさき・やすひこ)
獣医師、獣医学博士。須﨑動物病院院長。「薬に頼らないで体質改善」をキャッチフレーズに、食事療法やデトックス、ペットマッサージを柱に、犬や猫の治療を行う。
樋口たつ乃(ひぐち・たつの)
イラストレーター。明治学院大学経済学部卒業後、会社員を経てパレットクラブイラストコース修了。安西水丸イラスト塾にて学ぶ。現在は、書籍の装画、雑誌や新聞小説の挿絵、広告、パッケージデザインなど幅広く活動中。https://www.tatsuno.cc/、インスタグラム:@tatsuno_higuchi
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