(別冊天然生活『天然ねこ生活』より)
実は簡単。須﨑先生が提唱する「手づくりごはん」
須﨑先生が提唱する手づくりごはんは、薬や手術に頼りすぎず、食事療法でペットの調子を整えるというものです。
猫のごはんを手づくりするというと難しいイメージがありますが、いたって簡単だといいます。
缶詰やふだん食べているものを使って肉・魚と穀類、野菜を4:1:1の割合で自由に組み合わせればいいそう。
「手づくりごはんを始めた飼い主さんからは『元気になった』『毛並みがよくなった』という声が寄せられています。ドライタイプのキャットフードに比べると水分量も多いので代謝がよくなったり、老廃物の排出が活性化したりすることもあります。もちろん猫にも個性があるので、手づくりごはんが合う猫も、合わない猫がいるのも事実。ただ、すぐに実践しなくても手づくりごはんの基本を覚えておけば、市販のものを食べてくれなくなったときに、食べさせるものの選択肢が広がって、困らなくなりますよ」
うちの子、どんな食材が好きかなと考えながら猫のごはんを用意するのも楽しいかもしれませんね。
猫の「手づくりごはん」の始め方
手づくりごはんは、猫の調子を整えてくれます。
難しいイメージがありますが基本を押さえれば、いつでも始めることができます。
慣れるには時間がかかります

猫は自分の好物をにおいでよく覚えているので、市販のキャットフードから手づくり食に替えた当初は食べないことがほとんどです。
「最長1週間も食べなかった猫もいます。ただ、本当におなかがすいたら必ず食べるので、食べてくれないことを気にすることはありません」
小皿で好物テストを

猫の好物を見つけるには、小皿に野菜、魚、お肉などさまざまな食材をちょっとずつ盛って、どれを食べるのかテストをするのがおすすめです。
その食べた食材を使って手づくりごはんをつくれば、キャットフードから手づくりごはんへの移行が、よりスムーズです。
難しく考えない。基本、何でもOK!

栄養バランスや食事の量などを細かく気にする必要はありません。
太ってきたら量を減らし、やせてきたら肉や魚の割合を増やせば大丈夫。
絶対にダメという食材はほとんどありませんが、ねぎ類、生卵の白身、塩分、香辛料、お菓子類等を過剰にあげることは避けて。
食いつきのよいものをふりかけて

小皿で好物テストをして猫の好物がわかったら、いつものごはんの上にそれらをふりかけてあげるのもおすすめです。
食欲が増進されて、完食してくれることも増えてきます。
かつお節や、にぼしなど香りが強いものをふりかけると食いつきがよくなる猫もいます。
※本記事は、別冊天然生活『天然ねこ生活』からの抜粋です
<撮影/村林千賀子 イラスト/樋口たつ乃 取材・文/高田真莉絵>
須﨑恭彦(すさき・やすひこ)
獣医師、獣医学博士。須﨑動物病院院長。「薬に頼らないで体質改善」をキャッチフレーズに、食事療法やデトックス、ペットマッサージを柱に、犬や猫の治療を行う。
樋口たつ乃(ひぐち・たつの)
イラストレーター。明治学院大学経済学部卒業後、会社員を経てパレットクラブイラストコース修了。安西水丸イラスト塾にて学ぶ。現在は、書籍の装画、雑誌や新聞小説の挿絵、広告、パッケージデザインなど幅広く活動中。https://www.tatsuno.cc/、インスタグラム:@tatsuno_higuchi
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