• 衣類についたシミには、4つのタイプがあるそう。汚れの種類に合わせて適切な処置をしましょう。ナチュラルクリーニング講師・本橋ひろえさんに、汚れの種類別シミ抜きのコツを教えていただきました。「急いでなんでも水洗い」はNGかもしれません。
    (『天然生活』2023年2月号掲載)

    汚れ別のシミ抜き

    衣類についたシミ。つい急いで水洗いしがちですが、ちょっと待って! まずは、洗濯タグをチェックして、水洗いできる素材かどうか確認を。水洗い不可の素材なら、早めにクリーニング店へ。

    水洗いできる場合は、汚れの種類に合わせてシミ抜きします。

    シミには以下の汚れがあります。

    ①水で落ちる汚れ

    ②食べこぼしの汚れ

    ③油の汚れ

    ④その他の汚れ

    画像: 汚れ別のシミ抜き

    ①水で落ちる汚れ

    しょうゆ、ソース、ケチャップ、コーヒー、紅茶、果汁、ワイン、汗など

    画像: ①水で落ちる汚れ

    ①水で落ちる汚れは、まず水で汚れを流して、固形石けんでもみ洗いします。落ちないときは、シミに過炭酸ナトリウムの粉をのせ、その部分を包むようにたたんでネットへ。洗濯槽にぬるま湯を入れ、つけ置きしてから、普段通りに洗います。

    ②食べこぼしの汚れ

    カレー、ミートソース、焼き肉のタレ、ラーメンスープ、マヨネーズ、チョコレートなど

    画像: ②食べこぼしの汚れ

    ②食べこぼしのシミの場合、こすらずにぬるま湯で流して目立つ汚れを落としてから、固形石けんでやさしくもみ洗いします。その後、ぬるま湯でしっかりすすいで、残った汚れは、水で落ちる汚れと同様に過炭酸ナトリウムをシミの部分にのせて洗濯します。

    ③油の汚れ

    食用油、クレヨン、油性ペン、油性ペンキ、口紅、ファンデーション、朱肉、機械油、化粧油(マッサージオイル)など

    画像: ③油の汚れ

    水洗いの応急処置が厳禁なのは、③油の汚れです。油汚れのシミは一度でも水にぬれると落ちません。おしぼりでトントンするのは逆効果。油分が含まれているので、シミが落ちないどころか汚れが繊維の奥に染み込むことに。メイククレンジングの要領でダブル洗いが鉄則です。

    シミの下にタオルを敷き、上からリキッドタイプのクレンジング剤を染み込ませ、ブラシで叩いてなじませ、汚れをタオルに移します。ぬるま湯ですすいだら、固形石けんでもみ洗い。ぬるま湯でつけ置きしてから、いつもの洗濯を。

    ④その他の汚れ

    墨汁、絵の具、土、砂、ほこりなど

    画像: ④その他の汚れ

    ④その他の汚れの土やほこりの汚れは乾かしてからブラシで汚れを落とし、固形石けんで、墨汁や絵の具のシミもぬらさず、研磨剤入りの歯磨き粉で洗います。



    〈イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋〉

    本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
    ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」をスタート。著書に『ナチュラルおそうじ大全』『ナチュラルおせんたく大全』(ともに主婦の友社)など。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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