(『天然生活』2024年7月号掲載)
自ら手を動かして、行動することが節約に

50歳のときに出版社を早期退職してフリーランスになった片岡延江さん。
現在は、フリーランスで女性誌編集の仕事をしつつ、自らリノベーションした中古住宅で「大家」業を営むほか、保育士としての活動も行っています。
50代からさまざまな資格を取得して、現在の仕事に役立てている片岡さんに、日ごろの節約の工夫を教えてもらいました。
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片岡さんの節約の工夫
1 家のリフォーム、メンテナンス、できることは自分で

「物欲はないほう」だけど、工具は別。ホームセンターは天国なのだそう
棚を取り付けたり、壁紙を替えたいけど「お金がかかる」と二の足を踏んでいませんか?
「リフォーム代=工賃なのでコストがかかるんですよね。
壁塗り、クロス張りなどは簡単なので自分でできますよ。
やり方はインターネットで検索するといろいろと出てきます」
家のアップデートを気軽にできると、暮らしの楽しみが増えます。
2 電気工事士の資格があるととても便利

自宅のスイッチ交換も気軽にこなす片岡さん。「電気工事士資格の講習会、女性も多いですよ」
DIYの満足度を説く片岡さんが、次にすすめるのが電気工事。
「外注すると高い照明やスイッチの交換や、コンセントの増設も自分でできます。
資格を取るのが難しそうに思えるけど、学科はマークシートのテストを100点中60点取れば合格。
技能試験は出題問題があらかじめ公表されます。
この資格があれば、できることが増えますよ」

電気工事に必要な道具は意外と少ない
3 仕事先のお昼はお弁当とコーヒー牛乳持参で

園児のお昼寝中がお弁当時間。とはいえ、ゆっくり食べてはいられません
保育園の日は、絶対にお弁当。前の晩のおかずを詰めるだけだから、手間もコストも最小限です。
「簡単なおかずばかりですが、慣れ親しんだ味だからほっとします。
飲み物も持参。空のペットボトルに、飲み物を入れていくのが基本です。
保育園の前がコンビニですが、保育士は忙しすぎて、買いにいく暇もないですし」と笑います。

ごはんにおかずをのっけたお弁当か、おかず+おにぎりが基本。それにヨーグルトもプラス。飲み物は緑茶かコーヒー牛乳を入れて。園の冷蔵庫で保存
4 旅はお得なフリーパスを活用して、予算にメリハリを

旅情報はインターネットで調べて行く。「旅先ではそのエリアの印刷物は持ち帰ります。仕事柄、紙ものは気になる」
新しい旅スタイルにシフトしている片岡さん。
2食付の温泉旅館もいいけれど、最近はビジネスホテルがお気に入り。
大浴場併設、朝食付き一泊4,000円なんていうお得ホテルを探します。
夕飯はグルメサイトで評価の高い地元の店に。
好きな時間に好きなものを適量食べられて大満足。
「歳のせいか、旅館の夕食は量が多くて……」

旅はリュックで軽快に。「観光地では動きまわるので、寝るだけのホテルで十分」
5 「旅行に行ったつもり」の日帰り温泉でリフレッシュ

家ではバタバタしているけれど、スキンケアもいつもより時間をかけて
日帰り温泉は、身近な娯楽。
「よいところは3,000円とかしますが、交通費をかけて遠くに旅行に行くことを思えば、お安くリフレッシュできます。
食事もおいしいところをチョイス。
短時間しか滞在できないときは、いわゆる銭湯(520円)でスーパー銭湯並みの設備のところに行きます。
日帰り湯もメリハリつけて、節約します」
6 目標を決めて勉強をすることで節約に

左は保育士の実技試験のためのスケッチ、右は筆記試験の勉強のノート
第二種電気工事士、宅地建物取引士、保育士と、50歳を過ぎて立て続けに資格を取得しました。
「資格試験とかの勉強をすると、それに集中して時間を使うので、むだな出費がなくなります。
飲み会にも行かないし、出歩かなくなりますしね。究極の節約かもしれない」
職業訓練校での格安な講習会を利用したり、テキストは古本を活用。

いまは発達障害のことを勉強中。片岡さんの歩みは止まらない
〈撮影/近藤沙菜 構成・文/鈴木麻子〉
片岡延江(かたおか・のぶえ)
雑誌『Hanako』や『Hanakoママ』の編集長を経て、50歳で退職しフリーランスに。趣味のDIYを活かして、自らリノベーションした中古住宅で「大家」業を営む。57歳で保育士資格を取得し、女性誌の編集の仕事をしつつ、保育士としての活動も。4人の子の母。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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天然生活2025年9月号では、「幸せな貯まる習慣、まわす暮らし」の特集をしています。暮らしを楽しみながら、使ったり、増やしたり。皆さんのお金との向き合い方をお聞きしました。ぜひあわせてお楽しみいただけましたら幸いです。