• 自分の手で新しい住まいや暮らしをつくり上げる。そこには苦労もある一方、何倍もの喜びがあります。豊かな毎日を送る、編集者ライター平山友子さんに話を聞きました。
    (『天然生活』2024年11月号掲載)

    人の縁に助けられ、理想の暮らしを実現

    埼玉県寄居町の緑豊かな土地に立つ平屋。

    平山友子さん夫婦が9年前から暮らすこの家は、かつて父親が使っていた作業小屋を自分たちの手で改修したものです。

    「それまでは東京で賃貸暮らしをしていたのですが、住宅ライターとして農的な暮らしやセルフビルドを取材するうち、自分でもやってみたくなったんです」

    画像: 敷地内にあったプレハブ小屋をリノベーション

    敷地内にあったプレハブ小屋をリノベーション

    とはいえ大工仕事の経験はゼロ。知り合いの職人の手を借り、さらには友人知人たちにも手伝いに来てもらって完成させました。

    当初かかった費用は土地代と改修費を合わせて400万円。

    一度に全部仕上げようとせず、住み始めて数年後に外壁に板を張ったり、その後取材で知り合ったメーカーからストーブを購入したりと、そのときどきの縁や経済事情を生かしてじっくり住まいづくりを進めています。

    画像: 知り合いが譲ってくれたドアをトイレの扉に

    知り合いが譲ってくれたドアをトイレの扉に

    画像: 左官職人の指導のもと、もみ殻入りの漆喰を壁に

    左官職人の指導のもと、もみ殻入りの漆喰を壁に

    「いまは家賃がかからないし、毎週農家へ手伝いに行く代わりに野菜や卵などをもらってきます。地域の魅力的な人たちとコミュニティを築けたのも大きな変化です」

    そうした仲間たちと、楽しみながら野菜づくりや地域の町並み保存活動などに取り組む平山さん。

    「やりたいことがあったら、まずは動いてみることが大事。そうすればきっと何らかの縁やつながりが生まれてくると実感しています」



    〈撮影/飯貝拓司 取材・文/嶌 陽子〉

    平山友子(ひらやま・ともこ)
    東京生まれ。出版社、編集プロダクション勤務を経て、1991年からフリーランスのライター。主に木造住宅やそのつくり手、林業・製材の取材を行っている。特定非営利活動法人 小川町創り文化プロジェクト理事。主な著書に『古家リノベーション』(春陽堂書店)『くさる家に住む。』(共著・六耀社)など。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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