• 「よく眠れない」という悩みを抱えている方は、年齢ではなく“呼吸の乱れ”が原因かもしれません。睡眠時の呼吸が整えば、眠りと体調にうれしい変化が。自身の体験から睡眠と呼吸を研究し、寝具の開発に取り組んだトラタニ株式会社・虎谷生央さんに、医師監修のもと、睡眠と呼吸の深い関係について教えてもらいました。まずはご自身の呼吸の状態をチェックしてみましょう。
    (『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』より)

    呼吸のチェックリスト

    画像: 呼吸のチェックリスト

    早速ですが、あなたの呼吸浅くなっていませんか? 次のページのチェックリストに、いくつ当てはまりますか?

    3つ以上チェックがついたなら、ちょっと注意が必要です
    それは"年齢のせい"ではなく、実は「呼吸の乱れ」が不調や眠れない原因になっているかもしれません。

    「でも、年だから仕方ない……」とあきらめる必要はありません!

    呼吸は何歳からでも整えることができるんです。

    しかも、ちょっとした意識と工夫だけで、

    ●疲れにくい体

    ●よく眠れる体

    ●病気になりにくい体

    に近づけます。

    「眠れない」のは“年齢”ではなく“呼吸”のせい?

    冒頭のチェックリストですが、いくつあてはまったでしょうか。実はこれらは、眠れなかった頃の私自身の症状そのものです。

    「眠れない」というのは本当につらいものですが、私自身は長年、不眠に悩みながらも、それを「年齢のせい」と軽く受け止めていました。

    寝付きが悪い、夜中に何度も目が覚める、明け方ようやく眠れるーー。そんな状態を「年だから仕方がない」と思い込んでいたのです。

    そんなある日、心臓が突然バクバクと激しく脈打ち出したのです。診断結果は「心房細動」でした。

    手術をしたものの、その後も再発をくり返し不眠はさらに悪化。睡眠薬を処方され、自分でもありとあらゆる「睡眠にいい」といわれるものを試しましたが、状況は変わりません。

    正直、「もはやこれまで(寿命)か」とすら思っていました。

    そんなある日、ふとしたことで自分の「呼吸」が異常に浅いことに気づいたのです。計測してみると、呼吸数は1分間に26回。一般的に正常とされる12~20回を大きく上回っていました。調べていくと、「浅い呼吸」が交感神経を刺激し、自律神経を乱し、体を休められなくしていることがわかってきたのです。

    つまり私は「眠れていない」のではなく、「呼吸が乱れているから眠れなくなっていた」のでした。

    原因は判明しましたが、睡眠中の呼吸はもちろん意識することができません。

    布団に入って横になると、胸が詰まり、息が速くなる。

    長年インナーウェアの設計にかかわってきた私は、直感的に「寝具の構造が体に圧をかけて、呼吸を妨げているのではないか」と思ったのです。

    睡眠の質を決めるのは、“呼吸の質”

    そこで、睡眠中に呼吸を深くできる寝具を開発したところ、体に劇的な変化が起こったのです。

    心房細動はおさまり、慢性的な不調は次々と改善。呼吸数も1分間に14~15回と正常化し、今では「人生でいちばん健康」と言えるほどに体調がよくなりました。

    この体験を通じて、私はひとつの結論にたどり着いたのです。「睡眠の質を決めるのは、“呼吸の質”である」と。

    画像: 睡眠の質を決めるのは、“呼吸の質”

    睡眠研究は、世界中で長年にわたり行われています。脳波による睡眠への評価は確立され、専門家は室温や照明、音、入浴法など、「睡眠環境の整備」を勧めています。しかし、それだけで不眠が解消する人はごくわずかといえるでしょう。

    実際には、枕やマットレスなどの寝具が呼吸を妨げ、それによって自律神経が乱れ、眠りの質が低下しているという重大な事実に、ほとんどの専門家は触れていません。

    それどころか、いまや市場には無数の枕が出回り、「枕難民」と呼ばれる人も少なくありませんが、「なぜ眠れないのか」ではなく、「自分に合う枕が見つからない」というように、問題をすり替えてしまっているのです。「体圧分散型」のマットレスも一般的になっていますが、それでも睡眠障害に悩む人は後を絶ちません。

    実は寝姿勢において体にかかる重力=体圧が、気道や呼吸筋に物理的に影響を与え、呼吸を浅くしてしまうことが本質なのです。

    とはいえ、難しい呼吸法を覚えなければならないわけではありませんし、高価な寝具を買い揃えていただく必要もありません。

    ●寝る前に、深くゆっくりと呼吸する
    ●寝ているときに呼吸が深くなる姿勢をつくる
    ●呼吸を「気にかける」習慣をもつ

    など、ごくシンプルなことで十分です。

    ほんの少し意識を変えるだけで、呼吸の質は確実に変わります。そしてその変化の積み重ねが、疲れにくい体、よく眠れる体、病気になりにくい体へと導いてくれるのです。

    本記事は『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』(あさ出版)からの抜粋です

    〈 イラスト/ナカミツデザイン 監修/青木晃(内科医・一般社団法人日本抗加齢医学会専門医)〉

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    『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』|amazon.co.jp

    『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』(虎谷生央・著 青木晃・監修/あさ出版)

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    “睡眠時の呼吸の質”に光を当てた、健康長寿のための決定版
    眠れない原因は「年齢」や「ストレス」ではなかった――。70年の脳波研究でも解けなかった睡眠障害の真犯人は、“寝具と呼吸”にあった! 本書は、「睡眠中の呼吸の質」が健康寿命を大きく左右することを、著者自身の不眠体験と医師による監修をもとに解き明かした初めての一冊です。
    脳波や睡眠時間では説明できなかった不眠の原因を、「呼吸」という新しい視点から徹底解説。「健康寿命を延ばしたい」「睡眠の質を根本から改善したい」「不眠や慢性疲労から解放されたい」――そんな方に向けて、科学的根拠と具体的な解決策をわかりやすく提示します。



    虎谷生央(とらたに ・いくお)
    トラタニ株式会社 代表取締役社長。2005年「トラタニ株式会社」を設立。60代後半での自身の不眠や心房細動などの体調不良がきっかけとなり、普段無意識にしている呼吸の中でも、特に「睡眠中の呼吸の質」が健康に大きな影響を与えていることに着目。あらゆる健康法や寝具を試す中で、「寝具の体圧が呼吸を妨げている」という構造的課題を発見。5年に及ぶ独自の試行錯誤と特許出願を経て、世界初の呼吸促進寝具「トラタニ好循環寝具」を開発。現在は「呼吸と睡眠で健康寿命を伸ばす」ことをライフワークとし、商品開発・講演・執筆活動を通じて“呼吸の再発見”を広く社会に発信している。

    青木晃(あおき・あきら)
    内科医・一般社団法人日本抗加齢医学会専門医、一般社団法人日本美容内科学会理事長/一般社団法人日本健康医療学会常任理事、一般社団法人日本ウェルエイジング検定協会理事、一般社団法人日本抗加齢医学会評議員、元順天堂大学大学院加齢制御医学講座准教授。代謝・内分泌内科医として防衛医科大学校、旭川医科大学、自衛隊中央病院などで糖尿病、肥満症の臨床・研究に従事。1995年の地下鉄サリン事件では、当時勤務していた自衛隊中央病院から応援として、多くの患者が搬送された聖路加国際病院に派遣され自衛隊医官として従事。現場において初期治療の的確なアドバイスを指示することで、多くの患者の命を救う。抗加齢医学の第一人者として、雑誌やテレビなどのメディアでも活躍している。著書多数あり。



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