(『天然生活』2024年12月号掲載)
“ためない”ために、動線上に掃除道具を配置
「実は掃除がそんなに得意ではないんですよ」と話すのは、整理収納アドバイザーの岡本あつみさん。
「苦手」という掃除は、好きでないからこそ、ちょこちょこを積み重ね、日常のなかで上手にこなしています。
きれいのポイントは、「急がば回れ」の戦法にあり。汚れもほこりも、「ためない」ことがラク掃除への近道と考え、棚の上のほこり、床の髪の毛などは、気付いたらすぐ取るようにしています。
「汚れは見過ごさない。見つけたら、無意識レベルで体を動かすように心がけています」
流れるように体を動かせるのは、掃除道具の配置のおかげ。
本棚にハンディモップが、キッチンにペーパーとアルコール消毒液の掃除セットが、洗面所に粘着ローラーがスタンバイされています。どちらも、必要になる場所の中央に置かれているので、億劫にならずにさっと掃除に移れるのです。
「ためない」掃除法に行き着いたのは、ためて大変なことになった苦い経験があるから。キッチンの排水口の汚れをしばらく放置していたら、きれいにするまでひと苦労。
「日々の簡単な掃除を続けて、大事にならないようにしようと思いを改めました。考えないでも自然と体が動けるよう、ルーティン化してしまおうと思ったんです」
岡本さんの汚れを“ためない”コツ2選
汚れをためないコツ1
シンクと風呂場はフラット化
水まわりは汚れや水アカがたまりにくく掃除しやすいようにと、できる限りフラットに。

道具や調味料は、「イケア」の棚にオープン収納。使用頻度の高い道具ばかりなので、ほこりや油汚れがたまる前に使用して洗浄。シンクの中は洗いやすいように何も置かない
「シンクの中にもともとあったステンレスの水切りかごや、お風呂場のカランの下のカウンターも撤去しました」
シンクは夕食後に、使い捨てのスポンジでこすってきれいにします。風呂場の水栓まわりも、1日の最後に水をさっとふきあげて。

皿洗いが終わったら、最後にシンクの中と外をスポンジで磨くことをルーティンにしている

カランの上に設置されていたカウンターは、汚れがたまりやすいと思い外した。その代わりにマグネット式の収納かごを
汚れをためないコツ2
使う場所に掃除道具を置く
「苦手な掃除」でも、できる限り気軽に取り組めるように、掃除道具はよく使う場所にスタンバイさせています。
「気になった瞬間にさっと動けるように、ハンディモップは本棚に置き、粘着ローラーは洗面所の手に取りやすい場所に置いています。道具が近くにあれば、掃除の億劫さも軽減され、後回しになりにくいですよね」

ハンディモップは花びんにさしておけば、インテリアになじむ

ロングヘアの娘が3人いるので、髪の毛は床に落ちがち。「一本でも髪の毛を見つけたら即コロコロ」
〈撮影/杉能信 取材・文/鈴木麻子〉
岡本あつみ(おかもと・あつみ)
整理収納アドバイザー。家具選びや整理収納アイデアなど、インテリアづくりのアドバイスや、訪問片づけサービスを行う。11年前にフルリノベーションした家に夫と娘3人の5人で暮らし、その時の暮らしに合った整理収納やインテリアにアップデートする様子を発信。マクラメ講師としても活動。
インスタグラム@atsumi.okamoto
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



