(『天然生活』2025年4月号掲載)
個性あふれるスタッフと、デザインを形にする日々

左から上田剛央さん、土平恭栄さん夫妻。岡田美哉さん、齊藤誠司さん。岡田さんは土平さんの本で革小物製作のとりこに、齊藤さんは建築設計から木工の道に
上田制作室は、オリジナルの合板で家具をつくる「フランジプライウッド」の上田剛央さんと、革小物とバッグブランド「ウルクスト」の土平恭栄さん夫妻が設立した工房です。
上田さんは木工所や家具メーカーで家具の設計・制作を学び独立。アパレルブランドが生地のデザインから制作まで行うように、家具も素材をつくるところからつくりたいと、みずからベニア板を貼り合わせて合板をつくり、制作しています。
重なり合った合板の断面はオリジナルならではの美しさで、オーダー家具はもちろんコラボレーションなどでも評判を呼んでいます。

薄いベニア板を何枚か重ねてつくる上田さんオリジナルの合板。どこに何の素材を入れるかで、サイドから見たときの柄の出方が変わるため、この組み合わせを考えるときが楽しい時間
土平さんは中学生のころから趣味でレザークラフトを楽しみ、就職したアパレルブランドで独学で培った知識を生かしてバッグデザインを担当。「流れに身を任せているうちに」、革小物ブランドを主宰するようになったそう。

「ウルクスト」の財布、コインケース、キーホルダー。定番色は落ち着いたカラーだが、毎年11月ごろに発売する限定色は明るい色を選ぶことが多い。グリーンは2024年の限定色

財布のパーツを見せてもらっているところ。これは小銭入れの部分。各パーツをまとめて仕上げてから、最後に組み合わせる。革に傷がつかないよう、注意を要する作業
これからに向けて、夢を膨らませる時間
それぞれ本を読んだり日向ぼっこをしたりと個人の時間を過ごし、おやつタイムにおしゃべりをすることが多いのだとか。
食べることが好きな岡田さんおすすめのお店情報や、齊藤さんと上田夫妻の共通の興味である建築、土平さんの趣味の編み物など、話題は多岐にわたります。最近は将来の話もちょくちょく出ているそうです。

座面にオリジナルの合板を使用したスツール。スモーキーな色味の座面と、サイドから見える合板のシンプルな積層が美しい。丸みを帯びた座面や脚の角など、細部にこだわりを感じる
というのも、自然豊かで環境のいいところで仕事がしたいという思いから、神奈川から長野へ移転を計画中だからです。齊藤さんはそのタイミングで独立を決め、岡田さんはダブルワークしているジェラート屋の方に本腰を入れるそうです。
「住居とアトリエの工事が始まったばかりなので移転はもう少し先になりますが、私たちもふたりに負けないよう、これまで以上に制作に力を入れていきたいですね」(土平さん)

昆布のような質感のKONBU NYLONという生地を使った新商品の試作品。新商品をつくるときは、まず紙で試してから本番の革や生地に進むが、本番用の素材でもミリ単位で調整して完成させる
〈撮影/山川修一 取材・文/長谷川未緒〉
上田制作室(うえだせいさくしつ)
オリジナルの合板で家具をつくる「FLANGE plywood(フランジプライウッド)」の上田剛央さんと、革小物ブランド「.URUKUST(ウルクスト)」の土平恭栄さん夫妻の工房。予約制で家具の相談も。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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※天然生活2026年4月号の「職場のお弁当時間」企画では、OURHOMEさん、cotogotoさん、小宮商店さんのお弁当時間におじゃましました。ぜひ合わせてお楽しみいただけましたら幸いです。






