• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。今年からベランダで育て始めたハーブ。猫と植物が心地よく暮らすための工夫を綴ります。

    わが家の場合
    猫とハーブの、ちょうどいいつきあい方

    比較的安心して育てやすいもの

    バジル、しそ、カモミール、ローズヒップなどは、少量なら比較的安全とされています。ただし「体にいいから」と積極的に食べさせる必要はありません。猫が嫌がるなら、香りだけ、眺めるだけで十分です。

    育てるなら、かじらせないほうが安心なもの

    ミントやレモングラスは、香りを楽しむ程度なら暮らしに取り入れやすいハーブですが、猫が大量にかじると吐いたり下痢をしたりすることがあります。猫が届かない場所に置く、鉢を倒されないようにするなど、少し距離をつくると安心です。

    猫のいる家では避けたいもの

    ラベンダー、ユーカリ、オレガノ、チャイブ、ネギ類、にんにく類などは注意が必要です。見た目がかわいくても、猫が口にしない場所で管理するか、猫の生活空間には置かないほうが安心です。

    精油やアロマオイルは使わない

    「天然だから安心」と思いがちですが、精油は植物の成分が濃縮されています。猫の体には負担になることがあるため、ディフューザーやアロマスプレー、精油入りの虫よけなども、猫のいる空間では避けるのが無難です。

    猫の“逃げ場所”を必ずつくる

    香りの好みは猫によって違います。網戸から入る自然な香りでも、苦手な子がいるかもしれません。別の部屋に行ける、風の当たらない場所で眠れるなど、猫が自分で選べるようにしておくと安心です。

    少しでも変だと思ったら、すぐ確認を

    よだれ、嘔吐、下痢、食欲不振、ふらつき、元気がないなどが見られたら、自己判断せず動物病院へ。何をどのくらい口にしたか、植物の名前や写真を持っていくと診察の助けになります。

     

    ハーブの葉が揺れて、猫のひげも少し揺れる。

    それだけで、家の中に小さな季節が生まれます。

    大げさなことはしなくても、守ることを守りながら、風の通り道を少し整える。猫たちがそこで安心して目を細めてくれたら、それはもう、十分すぎるほど豊かなベランダ時間なのだと思います。

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    画像: 少しでも変だと思ったら、すぐ確認を

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日』(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

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