わが家の場合
猫とハーブの、ちょうどいいつきあい方
比較的安心して育てやすいもの
バジル、しそ、カモミール、ローズヒップなどは、少量なら比較的安全とされています。ただし「体にいいから」と積極的に食べさせる必要はありません。猫が嫌がるなら、香りだけ、眺めるだけで十分です。
育てるなら、かじらせないほうが安心なもの
ミントやレモングラスは、香りを楽しむ程度なら暮らしに取り入れやすいハーブですが、猫が大量にかじると吐いたり下痢をしたりすることがあります。猫が届かない場所に置く、鉢を倒されないようにするなど、少し距離をつくると安心です。
猫のいる家では避けたいもの
ラベンダー、ユーカリ、オレガノ、チャイブ、ネギ類、にんにく類などは注意が必要です。見た目がかわいくても、猫が口にしない場所で管理するか、猫の生活空間には置かないほうが安心です。
精油やアロマオイルは使わない
「天然だから安心」と思いがちですが、精油は植物の成分が濃縮されています。猫の体には負担になることがあるため、ディフューザーやアロマスプレー、精油入りの虫よけなども、猫のいる空間では避けるのが無難です。
猫の“逃げ場所”を必ずつくる
香りの好みは猫によって違います。網戸から入る自然な香りでも、苦手な子がいるかもしれません。別の部屋に行ける、風の当たらない場所で眠れるなど、猫が自分で選べるようにしておくと安心です。
少しでも変だと思ったら、すぐ確認を
よだれ、嘔吐、下痢、食欲不振、ふらつき、元気がないなどが見られたら、自己判断せず動物病院へ。何をどのくらい口にしたか、植物の名前や写真を持っていくと診察の助けになります。
ハーブの葉が揺れて、猫のひげも少し揺れる。
それだけで、家の中に小さな季節が生まれます。
大げさなことはしなくても、守ることを守りながら、風の通り道を少し整える。猫たちがそこで安心して目を細めてくれたら、それはもう、十分すぎるほど豊かなベランダ時間なのだと思います。
◇ ◇◇ ◇◇

咲セリ(さき・せり)
1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日』(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。
ブログ「ちいさなチカラ」





