• がんこな汚れも夏の暑さを味方にすることで掃除がしやすくなります。ナチュラルクリーニング講師・本橋ひろえさんに、ナチュラルクリーニングでキッチンの油汚れをすっきりさせるコツを教えていただきました。夏場に気になる雑菌もしっかり掃除しておきましょう。
    (『天然生活』2025年9月号掲載)

    しつこい「キッチンの油汚れ」は夏のうちに撃退

    ギトギトの油汚れは、洗剤を使わないと落とせない汚れの代表格。放置すると、固まって落としづらいガンコ汚れに変わるので、早めの掃除を習慣に。

    画像: しつこい「キッチンの油汚れ」は夏のうちに撃退

    油汚れとは?

    油汚れは大きく2種類あります。ひとつはキッチンで調理中に発生する油の汚れ。キッチンだけでなく、空気を伝って部屋中に油が流れていきます。もうひとつが汗をかく夏場に多い皮脂汚れで、手や足が触れる場所は皮脂汚れでベタベタに。

    基本の落とし方

    早めにふき取れば洗剤なしでも汚れを落とせる。時間とともに固まった汚れは、重曹、過炭酸ナトリウム、アルコールなどで落とす。

    画像: 油汚れとは?

    「キッチンの油汚れ」5つの場所別・ナチュラル掃除のコツ

    ①換気扇

    油とほこりのベタベタはシンクでつけおき

    画像1: 重曹

    重曹

    画像: 過炭酸ナトリウム

    過炭酸ナトリウム

    最近の換気扇は取り外しが簡単になっているので、フィルターなどの外せるパーツはすべて外してつけおきします。

    ただし、自動洗浄機能付きは、マニュアルを要確認で。シロッコファンがアルミの場合、アルカリ性洗剤で変色することもあるので注意しましょう。

     シンクの排水口をポリ袋でせき止め、60℃のお湯をためる。

     に過炭酸ナトリウム大さじ2~3を溶かし、取り外した部品を入れる。湯が冷めるまでつけおき。

     お湯を捨て、重曹(または石けん)を振りかけて小さいブラシでこする。

     水で流してしっかり乾かす。

    画像: ①換気扇

    ②換気扇フード

    最後は重曹水パックのペーパーでふき取りを

    画像2: 重曹

    重曹

    ガンコな汚れは重曹水パックで汚れをゆるめてふき取ります。シロッコファンを外した周りの内側部分も忘れずに掃除しましょう。

    重曹水をつくるときは必ず1%の濃度に。濃いめにつくると、ふき取ったあとに重曹の白い粉が残ってしまいます。

    画像1: ②換気扇フード

     1%の重曹水を浸したキッチンペーパーを軽くしぼり、重曹水パックをつくる。

     フードに重曹水パックを貼り付け、5分おく。

     はがした重曹水パックで浮いた汚れをふき取る。

    画像2: ②換気扇フード

    ③排水パイプ

    水の流れが悪いと感じたら掃除を

    画像: クエン酸

    クエン酸

    画像3: 重曹

    重曹

    水の流れが悪くなったと感じたら、排水パイプの掃除どき。パイプに付いた油汚れを流してすっきりさせます。

    ふだんからフライパンにべったり残った油はペーパーでふき取ってから洗うようにして、パイプの汚れを予防しましょう。

     鍋に水2Lとクエン酸大さじ2を入れて加熱する。

     重曹1/2カップを排水口に振りかけ、を一気に注ぐ。

     発泡した泡が落ち着いたら、水を流す。

    画像: ③排水パイプ

    ④コンロのトッププレート

    鍋の焦げ付き汚れや噴きこぼれにも注意

    画像4: 重曹

    重曹

    コンロを使ったらすぐにペーパーやウエスでふき取るようにしましょう。汚れを放置したまま加熱を繰り返すと、ますます汚れが落としにくくなります。鍋底の外側の汚れや噴きこぼれも、ガンコな焦げ付き汚れの原因です。

     重曹水パック(1%の重曹水を浸したキッチンペーパー)をトッププレートに貼り付け、5分おく。

     重曹水パックをはがし、はがしたパックで浮いた汚れをふき取る。

     落ちない汚れは、重曹の粉を振りかけてスポンジでこすり洗いし、水ぶきする。

    画像: ④コンロのトッププレート

    ⑤キッチンの壁

    重曹水パックとマイクロファイバークロスで

    画像5: 重曹

    重曹

    油でベトベトのキッチンの壁は重曹水パックで。仕上げに洗浄力の高いマイクロファイバークロスで水ぶきすることで、油汚れをすっきり落とせます。

    上から下にふき取るようにして、汚れた水が垂れないようにします。

     重曹水パック(1%の重曹水を浸したキッチンペーパー)をキッチンの壁に貼り付け、5分おく。

     重曹水パックをはがし、はがしたパックで汚れをふき取る。

     仕上げにマイクロファイバークロスで水ぶきする。

    画像: ⑤キッチンの壁

    重曹について

    ※ アルカリに弱い素材(アルミや銅など)、テフロン加工などのコーティング加工してある鍋やフライパンは変質するので使用できません。

    ※ マイクロファイバークロスなど熱に弱い化学繊維、シルクやウールなどアルカリに弱い素材は変質するので煮洗いに使用できません。熱に強い綿や麻素材が適しています。

    ※ お湯に重曹を投入すると一気に発泡し、熱湯が噴出して大変危険です。必ず水から溶かして加熱するようにしましょう。また、沸とうすると大量に発泡するので水は加減して入れましょう。

    酵素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)について

    ※ 酵素系漂白剤で手荒れすることもありますので、使用する場合にはゴム手袋をしましょう。

    ※つけおきはアルミ素材の換気扇やコーティング加工してあるものは変色変質の恐れがあるので中性洗剤を用いてください。



    〈監修/本橋ひろえ 取材・文/工藤千秋 イラスト/ホリベクミコ〉

    本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
    北里大学衛生学部化学科(現・理学部化学科)卒業。化学系企業勤務を経て専業主婦に。子どもや自身のアトピー体質をきっかけに、洗剤に興味をもつようになる。主婦目線、かつ科学的な裏付けのある「ナチュラルクリーニング講座」を全国で15年以上開催。著書に『ナチュラルおせんたく入門』(主婦の友社)などがある。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    ※ ここで紹介している掃除道具や洗剤のなかには、建材や設備機器によって使用してはいけないものが含まれている場合があります。建材や設備機器の取扱説明書、また、掃除道具と洗剤の注意書きを事前に確認してから、使用してください。各種洗剤を使用する際には、ゴム手袋を着用してください。



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