• 植物の仕事をしながら都心で家庭菜園を営む、フラワー&グリーンスタイリストのさとうゆみこさん。植物や野菜、土と向き合う暮らしのなかで「小さな循環」を実践しています。今回は、年間約50品目の野菜を育てるさとうさんに、畑初心者にもおすすめの菜園の場所選びについて教えていただきました。

    小さな家庭菜園、まずは“場所を見つける”ところから始めよう

    私の周りでは、野菜づくりを始めてみたいと思う方が少しずつ増えてきました。

    今回は、ふだんの暮らしに無理なく家庭菜園を取り入れてみたい、そんな方へ向けて、始めるための第一歩となる「菜園の場所選び」についてご紹介したいと思います。

    まずはお住まいの近くで、野菜を育てる場所を見つけることから始めてみましょう。

    画像: 撮影/山川修一

    撮影/山川修一

    家庭菜園の場所①
    自治体の貸し農園

    小さな家庭菜園として、一番始めやすいのは「貸し農園」です。

    住まいの地域には自治体が運営する「市民農園」や「区民農園」といわれる、公的な貸し農園が数多く存在します。

    利用料も比較的安価で(お住まいの地域の地価によって異なる)、一世帯につき一区画までの利用になることが多く、運営する自治体の市町村に住んでいれば、だれでも申請することができます。

    広さは私の住む都市郊外で、ひとりあたりの区画が10〜20㎡程度ですが、都市から離れると50㎡以上のところもあります。都心部になるほど面積は狭く、利用料は高くなる傾向があります。

    画像: 区画が仕切られている貸し農園

    区画が仕切られている貸し農園

    家庭菜園の場所②
    民営の貸し農園

    もうひとつの貸し農園として、民営のものがあります。

    全国で展開されている「シェア畑」さんがよく知られていますが、農具や苗はあらかじめ用意されており、アドバイザーが常駐している場合も多く、手厚いサポートが受けられます。

    自治体の農園に比べると利用料は高くなりますが、初めてスタートされる方には向いています。

    最近は農家さんが自分の余った農地で運営されている個人経営の貸し農園など、サービス内容が異なるタイプの貸し農園も増えてきているので、見学や、体験会などで自分に合った農園を見つけてみるのがよいでしょう。

    市民農園から始めた、私の場合

    私は借りる前からある程度の野菜づくりの知識があったので、まずは、サポートなしで安価な一番近くにある市民農園を借りました。

    自転車で5分くらい、広さは14㎡ほど。野菜を育ててみたい、まずは少しだけ始めてみたいという方にはちょうどよい広さです。

    そして、ある程度野菜を育てられるようになってきて、一年中いろいろな種類をもっと収穫していきたいと思ったなら、もう少し面積を増やしてもよいかもしれません。

    私の場合もすぐに面積が足りなくなってしまって、数カ月後にたまたま市民農園の近くにあった民営の貸し農園を30㎡ほど、さらに追加で借りることになりました。

    さらに、数年後にはご縁あってご近所の地主さんから100㎡ほどをお借りし、現在は合計150㎡弱の畑を手作業で管理しています。

    おかげで、少量ずつ多品目にして年間約50品目の野菜を育て、4人家族のための十分なお野菜をいただくことができています。

    画像: 市民農園から始めた、私の場合

    ただし、面積は、決して広いばかりがいいとは限りません。

    野菜づくりはその日に植え付けるだけで勝手に育つのではなく、期間中は除草作業をしたり、支柱を立てて整えたりと、「管理する」ことを続けていかなければいけません。

    私の周りでも、広い面積を借りて間もなく、管理が追いつかなくてやめてしまう方も少なくありません。

    どのくらい作業時間が取れるのか、どのくらいの収穫量が欲しいのか。

    家庭菜園はまずは狭い面積から始めて、徐々に面積を増やしてみてください。自分が管理できる量を知ることは、無理なく長くやっておくためにとても大切なことなのです。

    画像: 畑が離れた場所にある場合は手間のかからない芋類など植えるのもいい

    畑が離れた場所にある場合は手間のかからない芋類など植えるのもいい

    家庭菜園の場所②
    もっと身近に、プランターでも野菜づくり

    畑がなくても、庭やベランダでも野菜づくりは可能です。庭の場合はもともと畑の土になっていないので、状況によっては堆肥などを入れて肥沃な土に変える必要があります。

    ベランダでプランター栽培の場合には大きめのものを用意しましょう。どちらも建物のすぐそばにありますので、日当たりのよい場所であることも大事な条件となります。

    プランター栽培は気軽に始められる一方、地面とは切り離されたものなので、日々の水やり管理が不可欠です。

    それでも、ベランダは一番身近にある「畑」。

    部屋からすぐに収穫やお手入れできる環境にあるのはとても魅力的です。とくにハーブ栽培や少しだけ使いたい葉物野菜には威力を発揮します。

    画像: 採りたてをすぐに食べられるのは家庭菜園の醍醐味です

    採りたてをすぐに食べられるのは家庭菜園の醍醐味です

    皆さんの周りにはどんな菜園があるか、一度調べてみてくださいね。

    野菜づくりはやればやるほど奥が深く、さらに楽しくなっていきます。私もいつかもっと広い畑を借りてみたいなと、ひそかに夢が広がっているこのごろです。



    画像: 家庭菜園の場所② もっと身近に、プランターでも野菜づくり

    さとうゆみこ
    フラワー&グリーンスタイリスト。「green & knot」主宰。フラワーショップやインテリアショップ勤務、専門学校の講師を経て、現在はフラワーコーディネイトやグリーンアドバイザーのほか、植物にまつわる幅広いジャンルで活躍。自宅で定期的に行なうフラワーレッスンも好評。都心の家庭菜園で、小さな循環型暮らしを模索中。
    インスタグラム:植物のこと @yumikosatooo 畑と土のこと @soillife



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