• 「百貨店で着物を選ぶ」というと、敷居が高いと尻込みしてしまうかもしれません。「でも実は、初めての着物選びこそ百貨店がおすすめなんです」と語るのは「日本橋三越本店」の“女将”として知られる近藤紀代子さん。「着物を着てみたいけれど、何から選んだらよいかわからない」という大人の初心者さんに向けて、着物選びをやさしくナビゲートしてくれました。

    江戸も令和も、着物を買うならここ! 「日本橋三越本店」の呉服フロアへ

    画像: 江戸も令和も、着物を買うならここ! 「日本橋三越本店」の呉服フロアへ

    日本橋三越本店は、江戸時代に「越後屋」の屋号で呉服店として始まりました。多くの百貨店が呉服売り場を縮小するなか、いまもその歴史を継承し、最大規模の売り場面積を誇っています。

    「品揃えも工芸作家の作品や老舗の逸品などの特選から、日常着として使えるもの、ファッション性の高いものなど、あらゆる着物が集結しています。一カ所でこれだけ多くの着物を見られるのは、日本橋三越ならではだと思います」と近藤さん。

    画像: 三越全店で「女将」の肩書きをもつ唯一の存在、近藤さん。この日の近藤さんの装いは、黄色の紬着物に紅葉の帯。「着物は以前ここであつらえたもので、帯はお客様からいただいたもの。十五夜なのでウサギの帯留をしました」

    三越全店で「女将」の肩書きをもつ唯一の存在、近藤さん。この日の近藤さんの装いは、黄色の紬着物に紅葉の帯。「着物は以前ここであつらえたもので、帯はお客様からいただいたもの。十五夜なのでウサギの帯留をしました」

    「お客様も、叙勲受章祝賀会に出席するというような方から、お茶や街着などのカジュアル着物をお探しの方、外国人旅行者などさまざま。どんな方がいらっしゃってもおすすめできる着物があります。

    また、売り場に値札がついた状態で陳列されていますので、ご自身で納得できるお買い物ができるのも、百貨店のメリットのひとつだと思います」

    着物超初心者に“大人の街歩き”にぴったりな1枚を

    画像: 着物超初心者に“大人の街歩き”にぴったりな1枚を

    ここからは呉服担当の奥津さんも加わり、初めての着物選びがスタート。まずは着物を着る用途やシーンを伝えます。

    ①どんな種類の着物を選ぶ?

    画像: ①どんな種類の着物を選ぶ?

    相談者は、着物初心者の編集スタッフK。「街歩きや趣味の相撲観戦、寄席などに着ていきたい」と伝えると「それなら小紋(こもん)か紬(つむぎ)がいいですね」と近藤さん。

    奥津さんも「初めてでカジュアルな着物としては自宅で洗える化繊や木綿もおすすめなのですが、紬(つむぎ)なら絹でも着やすいですし、着ていくうちに身体になじんでいく感覚を味わえるのでおすすめです」と続きます。

    詳しい違いはわからなくても、実際に反物を触ってみることで自分の好みがわかってきます。

    「まずはたくさん並んでいるところから、直感で好きなものを選んでみるのがいいと思います」と近藤さん。これだけの種類の着物があるからこそできる選び方です。

    ②着物の次は、「帯」を選ぶ

    画像: ②着物の次は、「帯」を選ぶ

    いくつか気になる反物を決めたら、そこに帯を合わせていきます。

    「浴衣などに使う半幅帯(はんはばおび)もあるのですが、今回は“大人の街歩き”がテーマなので、名古屋帯をおすすめしたいですね」と奥津さん。大きめの台の上に反物と帯を重ねて置くことで、着用イメージが湧いてきます。

    「閉鎖的な空間ではないので、気軽に比較検討していただけると思います」と近藤さん。靴を脱いで反物を巻かれるというイメージとは真逆の接客にホッとします。

    ③小物は何が必要? どう合わせる?

    画像: ③小物は何が必要? どう合わせる?

    「名古屋帯の場合は、帯揚げと帯締めが必要になってきます」と、その場を離れる奥津さん。

    その間に「ここでは必要な小物類や襦袢(じゅばん)だけでなく、下着から着付けに必要なひもなどの道具もすべてそろいます」と教えてくれる近藤さん。

    たとえば身ひとつで訪れたとしても、いちからすべてを揃えることができるうえ、着付け道具なども最適なものを教えてくれるということは、初心者にとってはありがたいポイントです。

    ▼今回のコーディネートの内容はこちら

    紬着尺 132,000円(仕立て代 別途)、なごや帯 110,000円(仕立て付き)、帯締め 38,500円/三華苑、帯揚げ 22,000円/加藤萬、草履 33,000円・バッグ 27,500円/ともに神田胡蝶

    ※すべて税込み表記です

    今回は予算を設けずにコーディネートを提案していただきましたが、「予算はもちろん、“この着物に合う帯が欲しい”などに対しての個別アイテムのご提案や、“祖母の着物を直して着たい”などのお直しのご相談もお引き受けしています」と奥津さん。

    はじめからすべてをそろえることができなくても、一歩ずつ憧れの着物生活を楽しめそうという希望が湧いてきます。



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