世界を旅して出合う、その地に生きる人の暮らしには、環境や歴史に根ざした、心の豊かさがありました。今回は写真家の在本彌生さんがリトアニアとポーランドで出合った、豊かな暮らしを紹介します。
(『天然生活』2025年12月号掲載)
(『天然生活』2025年12月号掲載)
リトアニア
リトアニアは小さな国。森や水が豊かで、日本に比べたら人口密度もたいそう低い。
だから自然環境と人の関係は、ぐっと近く密接だ。

リトアニアの街では、都市においてもあちこちでりんごの木を見かける。
友人が地面にたくさん落ちているりんごの実を拾い上げて、「はい、どうぞ」と私に差し出した。
ひと口かじると酸っぱくて甘くてみずみずしい。

こんなさりげないやさしさで世界の生命が循環したら、これほど素晴らしいことはない。
ポーランド

元気な子どもたちが、ワルシャワの旧市街の広場に集まって笑ったり隣の子にイタズラしたり、変な顔をつくったりしながら記念撮影をしていた。

冬の始まりにはクリスマスマーケットが立ち並び、普段にましてにぎやか、グラスボールが飾られた大きなツリーも華やかで幸せあふれる光景だ。
かつて戦争で徹底的に破壊された旧市街は、市民の手でひとつひとつ、平和への想いとともに再建された。
この旧市街は市井の人々がつくりあげた最高傑作だ。
<撮影・文/在本彌生>
在本彌生(ありもと・やよい)
写真家。東京生まれ。アリタリア-イタリア航空会社で客室乗務員として勤務するなかで写真と出合う。世界各地の衣食住に根づいた美を求めて、雑誌や書籍で撮影を手がける。最新作は『Lithuania,Lithuania,Lithuania!』(アノニマ・スタジオ)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです






