• 急激な物価高、上がらない給料……わが家の家計はこのままで大丈夫? などと不安になることも。お金を取り巻く環境が大きく変化しているいま、やるべきことを考えてみましょう、というのはファイナンシャルプランナーの西山美紀さん。今回はいま、お金に起きていることを教えてもらいました。
    (『天然生活』2026年11月号掲載)

    ものの価値は上がっていくのが正常な姿

    買い物をしていると、「ものの値段が上がっているな……」とため息が出てしまうことがあるのではないでしょうか。急激な物価高に戸惑う方も多いと思いますが、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんはこう考えています。

    「これまでは、ものの値段は安いままで当たり前。場合によっては、もっと値段が下がるということも起こりました。でも実は、この状態は経済の常識とは違っています。本来、ものの価値(値段)は上がっていくのが正常な姿です」

    わかりやすい例が、100円や500円硬貨の存在です。いずれも昔はお札が流通していましたが、ものの値段が上がるにつれ100円や500円は「小銭」という感覚になっていき、お札に代わって硬貨が発行されました。

    いま、お金に起きていること

    「これと同じことが、いままさに起きています。銀行に100万円を預けて1年たち少し利息がついたとしても、ほぼ100万円のまま変わりません。ところが、物価は上がりつづけているので、去年は100万円で買えたものが、今年は買えなくなっていく。いまは、そんなふうにお金の価値が目減りしつつあります」

    どうして物価が上昇し、お金の価値が目減りしているのでしょうか? 

    まずは日本経済の弱さによる円安です。円安は経済活動の源になるエネルギー価格、そして私たちの身のまわりのものやそれをつくる原料となる輸入品の価格を引き上げます。

    海外に比べて日本の経済に勢いがない

    画像1: 物価高、円安…いま知っておきたい「お金に起きていること」とは?ファイナンシャルプランナーに聞く、お金を取り巻く“環境の変化”/西山美紀さん

    円安になり、エネルギーと輸入品が値上げ

    画像2: 物価高、円安…いま知っておきたい「お金に起きていること」とは?ファイナンシャルプランナーに聞く、お金を取り巻く“環境の変化”/西山美紀さん
    画像3: 物価高、円安…いま知っておきたい「お金に起きていること」とは?ファイナンシャルプランナーに聞く、お金を取り巻く“環境の変化”/西山美紀さん

    今後物価が下がることはなさそう

    つまり、お金の価値が目減りしている

    画像4: 物価高、円安…いま知っておきたい「お金に起きていること」とは?ファイナンシャルプランナーに聞く、お金を取り巻く“環境の変化”/西山美紀さん

    いまと20年前の物価比較

    2005年2025年
    食パン(1㎏)415円535円
    牛乳(1L)207円259円
    味噌(1㎏)313円383円
    ガソリン(1L)125円178円
    ※出典 総務省統計局「小売り物価統計調査(動向編)」東京都区部の年平均価格

    さらに少子化などによる人件費高騰も加わります。それらが、私たちが買うものの値段に上乗せされていくのです。それと同時に私たちの賃金も上がればよいのですが、そうではない現状が「生活が厳しくなってきた」という肌感覚につながっています。

    これだけを聞くと、将来、どうなってしまうのだろうと、不安を覚えるかもしれませんが、「不安なのはだれもが同じ。あまり心配しすぎないことも大切ですよ」と西山さん。

    確かに不安のあまりがまんや節約ばかりしていては、ストレスがたまって息切れをしてしまい、結局長続きしないということにもなりかねません。

    「大切なのは、“使い方”と“増やし方”を少しずつ見直していくことです。お金の不安から解放されて、自分の人生を楽しむお金の使い方ができるようになるためにも、お金との新しいつきあい方、“管理術”を、取り入れられることがないか、ぜひ考えてみてくださいね」



    <監修/西山美紀 取材・文/工藤千秋 イラスト/イオクサツキ>

    西山美紀(にしやま・みき)
    ファイナンシャルプランナー。出版社勤務を経て2005年に独立し、FP資格を取得。暮らしに身近なお金のテーマを中心に、取材・執筆・監修・講演を行い、そのわかりやすさに定評がある。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)などのほか、『別冊天然生活 「お金」のきほん 整え方と増やし方』(扶桑社)の記事も監修。2児の母。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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