(『天然生活』2026年11月号掲載)
お金に働いて増えてもらう
お金の使い方を見直して「お金を守る」ことと同じくらい大切なのが、「お金に働いて増えてもらう」ことです。この「お金に働いてもらう」というのは、どういうことなのでしょうか?
「お金を銀行の普通預金に預けておくだけでは金利がほとんどつかず、お金はなかなか増えていきません。しかし、いまは金利が上がってきているタイミング。預け先を上手に選ぶことで、受け取る利息も増やせます。これがお金に働いてもらうということです」
お金を増やすというと、「投資は怖い」というイメージをもつ人も少なくありません。もし、投資に抵抗があるなら定期預金の預け先を変えるだけでも違いを実感できます。
少しずつ「お金に働いてもらう」体験を重ねて、お金とのつきあい方をステップアップしていきましょう。
管理術01
金利が高めの「定期預金」に預け替える

お金をためようと思ったら、多くの人がまず始めるのが定期預金です。元本割れもなく、安心してためられる方法なので、お金の初心者でも抵抗がないのがポイントです。
ただし、定期預金の金利は銀行によって違います。大手メガバンクでも金利が少し上がっているもの、ネット銀行などにはさらに高い金利の商品があります。
「とくに金利が上がってきているいま、ネット銀行を中心に以前よりも高い金利がつく定期預金が増えていて、1%を超えるものも登場しています。メガバンクに大きな金額を預けっぱなしでは、ちょっともったいないですね」
ネット銀行の金利優遇定期預金は、期間限定のキャンペーンで実施されることがあります。新規口座開設や一定額以上の預け入れなどが条件の場合もあるため、金利だけでなく条件もしっかり確認しましょう。
「すぐに使う予定のないお金は、こうした金利の高い定期預金に預け替えておくと、少しずつお金が増えていきます」
聞きなじみのないネット銀行に預けるのは不安という方もいるかもしれませんが、銀行は万が一破綻しても「預金保険制度(ペイオフ)」で1000万円までは預貯金と利息が保護されます。1000万円を超える預貯金は、銀行を分けて預けておくと安心です。
管理術02
「個人向け国債」変動10年で金利上昇の恩恵を

銀行以外にお金を預けたことがないという人なら、個人向け国債から始めてみるといいかもしれません。個人向け国債は国が発行する債券で、国にお金を貸して利子を受け取るという仕組みです。
「証券会社や銀行などで購入できる金融商品です。基本的に元本割れしないので安心感があり、投資の第一歩としておすすめです」
購入すると半年ごとに利子を受け取れ、満期時に元本が戻ってきます。「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあり、注目は変動10年。金利に応じて適用利率が変わるため、金利が上昇中のいまはより多くの利子が期待できそうです。
2026年8月時点の変動金利10年の初回適用利率は、年1.87%で、1年ほど前と比べると約1.9倍に上昇。適用利率は半年ごとに見直されるので、今後さらに金利が上がれば、受け取れる利子も増えていきます。
購入は1万円単位からできるので、まとまった資金がなくても始められます。発行から1年たてば、中途換金も可能。その際は、直前2回分の利子相当額が差し引かれます。利子は減りますが、元本割れはありません。
当面使う予定のないお金は個人向け国債、すぐには使わないけれど数年後には使うかもしれないお金は銀行の定期預金という使い分けもひとつの方法です。
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<監修/西山美紀 取材・文/工藤千秋 イラスト/イオクサツキ>
西山美紀(にしやま・みき)
ファイナンシャルプランナー。出版社勤務を経て2005年に独立し、FP資格を取得。暮らしに身近なお金のテーマを中心に、取材・執筆・監修・講演を行い、そのわかりやすさに定評がある。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)などのほか、『別冊天然生活 「お金」のきほん 整え方と増やし方』(扶桑社)の記事も監修。2児の母。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです










