(『天然生活』2014年8月号掲載)
服選びで大切にしているのは、購入のタイミング
ワンピースとブラウスとパンツ、全部合わせて、ラックひとつ分。冬物とコートはラックふたつ分。それに、ニットやストールはそれぞれ、小さな箱に入るだけ。
それが、鈴木えりこさんの全ワードローブです。
そのなかで、お気に入りの組み合わせを見つけ、季節を超えて長く楽しむのが、鈴木さんのスタイル。服選びで大切にしているのは、購入のタイミングです。
「勢いで買い物をすると、家に帰ってからむなしくなるんですね。衝動買いしたものに囲まれていると、何が自分にとって大事なものかわからなくなるから」
店に行って、服を見る。見ているうちに、欲しいかどうかわからなくなったら、店を出る。見て、触れて、離れる。また別の店で別の服を、見て、触れて、離れる。
「何度も繰り返すうちに、ある日、ぐっとくる瞬間がきます。そうしたら、よし、いまだ、って」
こうして出合った服が、10年以上のつきあいとなります。日々、大切に、季節を超えて着るうちに、その服は肌になじみ、自分の一部となっていきます。
公開、鈴木さんの厳選ワードローブ
長年なじんだお気に入りは、どれも天然素材。身に着けるたびに心地よく、肌の一部のようになります。大好きだから、ぼろぼろになるまで永く着て、着られなくなったら新しく買い替えます。
ブラウス
大好きな素材は、シルクにリネンにインド綿。袖を通す瞬間の気持ちよさといったら!
1 アレキサンダー・ワンのシンプルなノースリーブ
2 バレンシアガのシルクブラウス。衿のあきが広くてデコルテがきれいに見える
3 ヴェロニクブランキーノのリネン混シャツ。ボタンを外して、ざっくりと着る
4 ネイティブヴィレッジの日本藍染めシャツ
5 トゥジューのシルクカシュクール
6 かぐれのオーガニックコットンシャツ。カシミヤニットを重ねても素敵
7 インド綿は一番好きな素材。ドゥーズィエム クラスのシャツ
パンツ
立ったときに後ろ姿がすっきりして、座ったとき膝がきれいに見えるものを。
8 カジュアルな服も大人っぽく見える、ジルサンダーのスラックス
9 ヒップラインの美しい、ジョセフのスラックス。15年ほど愛用
10 ヴラスブラムのリネンキュロット
11 ドゥーズィエム クラスのクロップドパンツは、靴下をはいてもバランスのいい絶妙な丈
12 ミュウミュウのセールで見つけた、シルクのサルエル。レギンス感覚で楽しんでいる
13 ステラマッカートニーのパンツ。ロールアップしてスニーカーを履いたり、短めのニットを合わせたり
14 シャツとおそろいで購入した、ネイティブヴィレッジのワイドパンツ
ワンピース
衿ぐりのあき、膝下まであるゆったりした丈に着目。レギンスやパンツと合わせて、風をまとうように。
15 マキマロのカシュクールワンピースは、山桃染め。何度も着て色あせたので、実家の山桃で染め直した
16 15年以上愛用の、イザベルマランのインド綿ワンピース。きちんとした場所で活躍
17 エッグのインド綿ロングシャツ
18 トゥジューのシャツは衿まわりがきれいで肌触りもいいので、少しずつ買い足している。これはシルクコットンワンピース
19 最近買った、ドーサの前開きドレス
20 トゥジューのリネンドレス
21 トゥジューのコットンドレス
靴
日常と、よそゆき用、それから仕事用。足にぴったり合うものを、色違いで。
22、23 ニューバランスの1400。右は、ビブラムソールと呼ばれる耐久性の高いもの。物選びのために一日中歩きまわる日は、スニーカーが活躍。全身同色のときのアクセントにも
24 雨の日には、エーグルのラバーブーツ
25、26 ジルサンダー。茶のほうが10年近く愛用しているもので、新調したネイビーは、よそ行きの服装を足元で締める
27 足に合う、ダニエラ・グレジスのワンストラップ
28、29 コム・デ・ギャルソンのスニーカー。長年、履きつづけ、これは四代目
30、31 ビルケンシュトックのサンダル。底を何度も張り替えている
バッグ
帆布や植物素材のものを厳選。丈夫さを考えて、持ち手は革のものも。
32 エクアドルのショルダーバッグ
33 背丈に合わせて、ショルダーが長すぎないものを選んだ。マリメッコのキャンバスバッグ
34 15年ほど前に購入し、最近、出番が増えてきたバッグ。ケイトスペードのもの
35 松野屋のキャンバストート。ポケットがたくさん付いていて便利
36 底が広くてものが入れやすい、ドーサセレクトのバスケット
37 使うほどに風合いがこなれてくるのも、植物素材のバッグの魅力。サン アルシデのバッグ
38 温かみのある赤は、最近、気になる色のひとつ。アントネッロのコットンバッグ
帽子とストール
日よけや冷房対策になるだけでなく色のメリハリをつけるために。
39 ネストローブで購入したトゥレジュールのつば付き帽子
40、41、42 すべてクール。リボン付きが紙繊維製で、その下はサイズ違い。つばが大きすぎないので、小柄な人でも似合う。ネイビーのものがリネンのキャスケット
43 シャーのフェルトハット
44 ユアウェアーのニット帽
45 パリで買った、ドリスヴァンノッテンのシルクショール
46 マッタのコットンストール
47 ファリエロサルティのウールシルクストール
48 カキツバタのオーガニックコットン混カシミヤシルクリネン
49 コム・デ・ギャルソンのウールストール
<スタイリング/鈴木えりこ 撮影/尾嶝 太>
鈴木えりこ(すずき・えりこ)
1988年、独立。広告、女優、ナチュラル系雑誌などのスタイリングを手がける。エシカルファッション(オーガニックコットンやフェアトレードなど、環境や社会に配慮した衣服)にも造詣が深い。MMBOOKSから発売される『冷えとりスタイルブック』(2019年10月30日発売)の中でスタイリングを1テーマ担当。2019円10月末には、企画構成スタイリングをした秋冬ファッションの本も発売予定。
https://erikosuzuki.com
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです