料理家・森かおるさんがレシピを手掛け、地元のオーガニック食材をたっぷり使った「季節のおひるごはん」がいただける、その名も「Relish食堂」。
店内には大きな黒板が掲げられ、その日の献立やレシピとともに、“今日召し上がった定食のおかずがお口に合いましたら、是非ご家庭でもつくってみて下さい”という言葉も添えられています。
お店の料理から、家の食卓へ。小さな前庭のある食堂の新たな試みは、森さんの思いがいっぱい詰まっています。
京都大山崎に、料理家・森かおるさんのオーガニック食堂がオープン
京都・大山崎にあるRelish(レリッシュ)。2003年に料理家・森かおるさんが立ち上げ、料理教室をはじめとする暮らしの教室や生活雑貨を扱う店として親しまれてきました。近年は朝市やフードマルシェなど、食のイベントも定期的に開催しています。
この秋、そんなRelishにもうひとつの活動拠点「Relish食堂」が誕生しました。
10月11日、Relishから歩いて10分ほどの場所にオープンした「Relish食堂」。
「小さなお庭があることが気に入って、ここで食堂をしようと思いました」と森さん。実はこの場所、以前は地元で長年親しまれてきた仕出し屋さんだったそう。
縁あって、3階建ての1階スペースを借り受けることになり、知人でありガーデンデザイナーでもある奥田由味子さんとともに、少しでも緑を感じられる憩いの場にしようと、半年かけてリノベーションしたそうです。
白を基調とした空間に、温かみのある木調のインテリアを配した店内。さりげなく飾られた植物やアンティークに加え、窓越しに見える前庭のグリーンが、訪れる人をなごませてくれます。
さて、気になるランチメニューはというと、月替わりの「季節のおひるごはん」のみという潔さ。カウンター上の大きな黒板には、その日の献立がイラスト入りで詳しく記され、なかにはレシピまで書かれている料理も。
「食堂をしようと思い立ったときから、絶対に黒板を取りつけてレシピを紹介しようと考えていました。私の料理教室では“家のごはん”を大切にしてきたので、この食堂で味わっていただいた料理を、家でもつくってもらえるようにしたかったんです」
記念すべきオープン月は10月、「神無月のおひるごはん」です。「秋鮭のオリーブ幽庵焼き」を主菜に、「揚げなすのきのこしょうがあん」や「空心菜とひじきとしらすのナムル」など、小さなおかずが4種類ほど。そして、五分づき米、味噌汁、漬物、佃煮、フルーツコンポートが並びます。
ひとつひとつていねいにつくられていることが伝わってくる「Relish食堂」のおひるごはん。季節を感じさせてくれる料理は彩りも豊かで、どれもほっとするような家庭的な味わいです。
もちろん、米や野菜、豆腐、だしなど、料理に使っている食材は、すべて森さんの太鼓判。地元を中心とした生産者さんが丹精込めてつくり上げたものばかりです。
「この食堂から、つくり手の方の思いも広めていけたら」と森さん。マルシェなどを続けるうちに「オーガニックでがんばっている地元の生産者の人をもっと応援していきたい」という思いがどんどん膨らみ、それが、食堂をはじめるきっかけにもなったと教えてくれました。
森さんの思いがいっぱい詰まった「Relish食堂」。店長を担う桑原美保さんは、森さんが自宅で料理教室をしている頃からの生徒さんで、子どもの離乳食や家のごはんを学び、自らの体調不良も克服してきたそう。
「身体は食べものからできていることを実感してきたひとりとして、おいしくて、からだにもやさしい料理を食堂から届けたい」と、意気込みを語ってくれました。
ランチは「お待たせすることなく、ゆっくり味わって欲しい」と予約制にしたそうですが、14時からのカフェタイムは気軽に入店でき、デザートやドリンクメニューもいろいろと楽しめるとのこと。子どもさんのランチには、おむすびにおかず2品などがつく「お子様プレート」も用意できるそうです。
食への一途な思いを親しみやすい料理でつなぐ、「Relish食堂」。大山崎の新しいオアシスになる予感がします。
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<取材・文/山形恭子>
Relish食堂
080-2522-4468
11:00~16:00
日曜・月曜休(月曜が祝日の場合は翌火曜休)
京都府乙訓郡大山崎町大山崎鏡田20-14 1F
ランチ:11:00~・12:45~の2部入れ替え制(電話にて要予約)
カフェ:14:00~
※ランチは月替わり1メニューのみ1650円・お子様プレート880円
www.relish-style.com