カラフルなニット作品とそのつくり方が満載
1本の毛糸をさまざまな色で染めた毛糸、オパール毛糸。単純なメリヤス編みをするだけで模様が現れるのが特徴です。
「この本には、オパール毛糸の魅力を最大限に生かしたニット作品がたくさん掲載されています」とマルティナさん。
掲載されている作品のいくつかをご紹介しましょう。
マルティナさんの代名詞「平和の靴下」
マルティナさんがオパール毛糸に出合い、その虜になってからまずつくったのが靴下。手づくり市などに出品し、売上金を寄付するように。
世界の平和につながる靴下、「平和の靴下(フリーデンスソッケン)」はマルティナさんのアトリエ名にもなっています。
本にはレディーズサイズのほか、家族全員分つくれるように、メンズ、キッズ、ベビーサイズが、ていねいなプロセス写真とともに紹介されています。
「オパール毛糸一玉で、大人用なら一足半、ベビー用なら余り糸で編めますよ」
何通りもの使い方ができる「腹巻帽子」
2種の毛糸を使って編む腹巻帽子。
「輪針を使って輪編みをしていくだけなので本当に簡単。編み物初心者の方にもおすすめです」
実は「腹巻」と名が付いているものの、腹巻きにするにはちょっとスリム。その分、帽子やネックウォーマー、フード、ターバンなど、さまざまな使い方ができるのが魅力です。
帽子として
ネックウォーマーとして
フードとして
「汗をかいたら気軽に洗えるし、へたったり縮んだりする心配もありません。ぜひこの冬に編んで使ってほしいですね」
そのほかにも、アームウォーマやレッグウォーマー、マフラー、手袋、セーター、ブローチなど、たくさんの作品とその編み方が紹介されています。
優しく温かい色合いのオパール毛糸で編まれた作品は、自分用にはもちろん、プレゼントにもしたくなるものばかり。ぜひ自分に合ったものを見つけてみてください。
毛糸を通じて世界にしあわせを。マルティナさんの活動もたっぷり紹介
本ではニット作品以外にも、オパール毛糸のメーカー、ドイツのTUTTO社の訪問記や、マルティナさんが2012年、気仙沼に設立した「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ(KFS)」での活動も紹介しています。
「小原木タコちゃん」も、気仙沼で生まれたプロジェクトのひとつ。2011年の東日本大震災後、マルティナさんは気仙沼の小原木中学校に避難していた方々にオパール毛糸と編み針を送り、自身も気仙沼に通って一緒に編み物をしていました。
そんななか、編み物ができない人のためにと考えたのがOpal毛糸を束にして結んで作る「小原木タコちゃん」だったのです。タコにはしあわせを8本の手でつかむという意味が込められています。
制作用の毛糸はドイツのTUTTO社が無償提供。つくられたタコちゃんの「里親」を募り、「養子の仲介手数料」の一部は、TUTTO社の熱帯雨林保護プロジェクトに寄付しています。
当初は震災後の仮設住宅で暮らすお年寄りがつくっていたタコちゃんですが、いまでは主に気仙沼・唐桑地区の障がいがある子の家族団体「手をつなぐ育成会」が制作を担っています。
表情がひとつひとつ違う「小原木タコちゃん」は、いまも里親募集中です。
KFSのウェブサイトでも紹介していますので、養子を迎えてみてはいかがでしょうか。
次回はオパール毛糸をさらに深く楽しめる、マルティナさんの著書『レリーフ編み』を紹介します。
<撮影/山川 修一、枦木 功 -nomadica-(レッグウォーマー)、村林千賀子(マルティナさん) 取材・文/嶌 陽子>
梅村マルティナ(うめむら・まるてぃな)
ドイツ生まれ。1987年、医学研究者として来日。京都大学大学院医学研究科博士課程修了ののち、ドイツ語講師として働きながら、ドイツ製の毛糸「Opal(オパール)」を使った編み物作品を制作し、評判に。東日本大震災後、宮城県気仙沼の避難所に毛糸を送ったことをきっかけに活動の場が広がり、2012年に「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ(KFS)」を設立。毛糸の輸入販売、毛糸製品の加工・販売、編み物教室などを行っている。
著書『しあわせを編む魔法の毛糸』『レリーフ編み』(ともに扶桑社)が今秋、復刊したばかり。
https://www.kfsatelier.co.jp/
Webショップ
https://kfsamimono.com/