小梅さんが好きな夜長仕事のひとつは、繕いもの。家族が寝たあとに、時間を見つけてちくちくする時間がとても大切だといいます。
夜なべ仕事の際に、すぐそばに置くのは、旅先で集めた石や貝殻。風景を思い浮かべ、石の模様から針仕事の糸の色を思いついたりするという小梅さん。自由な感覚で繕っていきます。
「自然を感じられるものを身近に置くと、イメージが膨らんで、ただ繕いものをするという作業ではなくなる感じがします。風景を落とし込むようにしていくと、本当に楽しくてリラックスできるんです」
ちなみに、小梅さんはダーニングマッシュルームの代わりにも、旅先の小石を使っています。丸みのあるカーブが、かかとの繕いにぴったりだそう。表紙のカットの靴下の中にも、実は石が入っています。
写真は、靴下と道具の配置を検討中の、小梅さんとカメラマンの関めぐみさん。とても寒い日でしたが、冬らしいやわらかい光が入り、3月号の撮影にはぴったりでした。
そして撮影した構図はこちら。表紙と見比べて、いかがですか? 関さんのフィルターを通すと、ぐっと暖かい雰囲気になりました。
撮影の合間に、小梅さんお手製のクッキーと紅茶で休憩。
ココナッツが香る、ざっくりとした食べ応えのあるクッキーは、好きな本を見ながら材料をアレンジしてつくられるもので、とてもおいしかったです。
素敵な写真を撮影してくださったのは、関めぐみさん。
ぜひ、夜長仕事のご参考に、ご覧くださいませ。
※ 小梅さんの記事「旅のかけらをそばに、空想のときを楽しむ」は、『天然生活』2020年3月号、P.20~23に掲載されています。