(『天然生活』2017年2月号掲載)
年齢に縛られることなく「好き」を取り入れて
「サイズがきちんと合った服を着るために、体形維持も大切」とターセンさん。白シャツ、白ニットで、カジュアルななかにも端正さを
日々のワードローブといえば、ギャラリーを始めてからの信条と同じく、「素材がいいもの」「つくり手の愛情が感じられるもの」を選ぶようにしているという引田夫妻。
ほとんど毎日一緒に過ごしているせいか、「装い」に関しても、しっくりなじんだ空気を醸し出しています。でも、そこに至るまでは、何度も一緒にお店に出向いたようで……?
「彼の長所は素直なところ。『これ着てみたら?』『似合いそうよ』と声をかけると、面倒くさがらずにチャレンジするんです。そうすると、お客さんから『素敵なニットですね』と声をかけられたりして……その繰り返しで、いまの装いができてきた感じです」と、かおりさん。
そんなターセンさん、最近は着たい服の傾向が変化してきたそう。
「若いころは仕立てのいい長めのコートがいいと思っていたのに、少し前はショートコート、いまはブルゾンが着たいと思うようになった。若々しく軽やかな格好で、ワクワクしたいのかも」
もともと、「もう○歳だから」「世間ではこういうものだから」といった、自分を縛るような考え方は一切しないというふたり。常に着こなしをアップデートしながら、「装うこと」をふたりで楽しんでいる様子が素敵でした。
しなやかで軽やかなレザーブルゾン
ここ数年、毎年一枚ずつ買い足しているという、ターセンさんのブルゾン。2016年は「ジル・サンダー」のものを新調。袖を通したときのラインが美しく、ツヤ感も、ほどよいポイントに。服は息子さんとシェアすることもあるそう
ときには鮮やかな色味を取り入れて
「夫は、きれいな色を取り入れるのが上手。私はついベーシックな色味の服を手に取りがちですが、最近は彼を見習ってビビッドカラーにも挑戦しています」。かおりさんのワイドパンツは「ゴーシュ」で、シルエットの美しさが秀逸
買い物をするときは素材表示をチェック
ニットは3枚とも、「トゥモローランド」のもの。タートルはシルクカシミヤ素材で、「首を締めつけすぎず、だらしなくもならない、ちょうどいい加減」。肌に直接、触れるものはとくに、形だけでなく必ず素材を確認するように
着こなしに重宝するリネン入りデニム
ゆるい「冷えとり」を実践しているかおりさん。冬のボトムは、重ね着をするため、ボリュームのあるパンツが中心。「ミナ ペルホネン」のデニムは太さもほどよく、リネン入りなので、カジュアルななかにも洗練された雰囲気が
<撮影/大段まち子 取材・文/田中のり子>
引田ターセン、かおり(ひきた・たーせん、かおり)
ギャラリーフェブとパン屋ダンディゾン オーナー。山あり谷ありの結婚40年を近著「しあわせの作り方」(KADOKAWA)に。2016年より娘夫婦と2世帯で暮らす。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです