1 まずはふきんの穴をふさいで……「まだノープラン」。

2 「赤い糸だし、てんとう虫っぽく見えてきた!」ということで、刺しゅうはてんとう虫に決定。

3 地元のおいしいものの話、などをしながら口と手をせっせと動かす、動かす。

4 ぐるぐるぐるぐる……針と糸は動く。おしゃべりにも夢中になって、てんとう虫はどんどん大きくなっていきます、

5 「む? おしゃべりしているうちに、これはてんとう虫にしては大きくなりすぎたぞ。かわいさが微妙になってきた……はい、りんごに変更です」

6 「りんごのへたの部分はどの色がいいかなあ?」と、大量のストックから糸をセレクト。

7 「うん、この色がベスト」とへたをチクチク。「いい感じになってきましたよ」

8 「葉っぱがあると、さらにりんごっぽさが出ますね」と、小さな葉っぱもチクチク。

9 完成!「新品のときより、断然、かわいいでしょう?」

図案
「とにかく自由!」がアコさん流。ライブ刺しゅうでは、下描きなしで刺していきますが、「図案があったほうが刺しやすいな」と思った方は、参考にしてください。色や大きさにもルールはありません。好きな色で、繕いの穴の大きさに合わせるなど好みの大きさで刺してみてください。

※写真の作品は、25番しゅう糸を使用し、赤は3本取り、緑は2本取りですが、刺しゅうの大きさに合わせてアレンジしてください。
<撮影:千葉亜津子 取材・文:福山雅美>

井上アコ(いのうえ・あこ)
ハンドメイドの洋服ブランド「Kecil-Pohon (クチル・ポホン)」主宰。子どもが描いた絵を楽しいおしゃべりとともにその場で刺しゅうに写す「ライブ刺しゅう」が大人気。近著は、『井上アコのらくがき刺しゅう』(自由国民社刊)。刺しゅうの基本をはじめ、「らくがき」の楽しさをそのまま生かす刺しゅうのコツや、らくがき刺しゅうのアレンジ活用法など、ライブ刺しゅう・らくがき刺しゅうの魅力がたっぷり詰まった1冊。読むだけでも、あたたかい気持ちになれる本です。