
「はさみを見せてください」という私たち取材陣のお願いに、次々と並ぶはさみ。
ひとつひとつに手製のケースがかぶせてあり、それがとてもかわいくおしゃれ。
その数に驚きつつも(実は、撮影に入らなかったはさみもあるのです!)、気づけば手に取り、どうやってつくるのかをお伺いしていました。
「趣味みたいなものなんですよ」と笑うかわいさんは、持ち手の色や、素材など、それぞれのはさみの雰囲気に合うように、じっくりと考えてケースをつくるといいます。
たとえば、小さいはさみ2個には、「靴に付いてきた皮革のタグがぴったりだったので」、持ち手が白い裁ちばさみには「スタイリッシュな持ち手に合わせて、銀色の皮革で」、手打ちでつくられたという本種子鋏(ほんたねばさみ)には、「アンティーク風のはさみの繊細な柄が似ていた布で」などなど。
気に入った布でケースをつくると、愛着も一層わくのだとか。
そして、かわいさも大切にしながら、実用性も忘れません。持ち運ぶことも多いかわいさんは、安全性も考慮して、皮革か、布や紙を使うときは牛乳パックを土台にしてつくるそう。
今回ご紹介する、牛乳パックでつくるタイプは、接着剤で貼り合わせてつくるので、手軽です。ぜひ、楽しんでつくってみてください。
「個人的感想なのですが、少しお値段が高めの牛乳パックだと、丈夫できれいにつくれるような気がしています」
How to make
牛乳パックでつくる「はさみケース」のつくり方

材料
牛乳パック(ジュース等でも可) | 1個(*) |
布(好みの布) | 適量(*) |
木工用接着剤 | 適量 |
25番刺しゅう糸 または 麻糸 | 適量 |
*牛乳パックや布は、ケースをつくりたいはさみの大きさに合わせてご準備ください。
つくり方
※つくり方のなかの数字の単位はすべてcm(センチメートル)です。
1 <ケースの型紙をつくる>紙にケースをつくるはさみを置き、外形をなぞる。はさみをはずしたら、紙に写したはさみの外形より大きめに(狭いところでも0.5cmほどゆとりがとれるよう)、定規を使って直線でケースの型を描き、カットする。

2 牛乳パックをイラストのように折って1でつくった型紙を合わせ、型紙の線に沿ってカットする。カットしたものをはさみにかぶせ、大きさをチェックする。

3 2でカットした牛乳パックの片面に木工用接着剤を塗り、好みの布の裏に貼る。乾いたら、牛乳パックより約0.5cm外側で布をカットする。

4 牛乳パックより外側の布の裏に木工用接着剤を塗り、内側に折って貼る。

5 4の底と右脇に木工用接着剤を細く塗る。折り線で折って底と右端をクリップなどで固定し、しっかりと乾かす。

6 完全に乾いたら、固定の補強も兼ねて、イラストを参考に糸飾りを付ける。写真の作品では、糸は25番刺しゅう糸6本取りを使用。

でき上がり。
はさみに合わせ、ケースの大きさをアレンジしていろいろつくってみてください。

※ ※ ※
【ご注意】
使用済みの牛乳パックを用いて工作を行う場合も、残存した微量の乳成分に触れることによりアレルギー症状がでることがありますので、牛乳アレルギーのある方は充分にご注意ください。
参考:「乳の知識と情報」「乳と乳製品の知識」「牛乳アレルギーの方は、使用済み紙パックにも触らない方がいい?」- 一般社団法人日本乳業協会
<デザイン・制作/かわいきみ子 撮影/中垣美沙 イラスト/たまスタヂオ>
かわいきみ子(かわい・きみこ)
テレビや書籍、雑誌、個展にて、洋裁と手芸の幅広い手法を取り入れた作品を発表するデザイナー。 『イチバン親切なソーイングの教科書』(新星出版社)をはじめとする、初心者にもやさしい、数々の入門書やワークショップで人気を集める。5月中旬発売予定の新著『わたしのトートバッグ』(家の光協会)では、素材、サイズ、用途いろいろのトートバッグのつくり方を多数紹介している。

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